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東急電鉄など 田園都市線でクレジットカードのタッチ機能、QRコード乗車サービスの実証実験

2023.09.01
㊤自動改札機を通過する様子=渋谷駅=㊦スマートフォンのQRコード画面

 東急電鉄と東急、三井住友カード(東京都江東区)、ジェーシービー(同港区)、日本信号(同千代田区)、QUADRAC(クアドラック、同港区)の6社は8月30日、東急電鉄田園都市線で、クレジットカードのタッチ機能やQRコードによる乗車サービスの実証実験を開始した。デジタルサービスの強みを活用することで、さらなる移動需要の創出や沿線全体の活性化につなげる。

 クレカタッチ機能での改札機通過サービスは、三井住友カードが提供する公共交通向けソリューション「stera transit(ステラトランジット)」を導入。券売機や窓口に寄らず、スムーズに列車を利用できる。

 デジタルチケットサービス「Q SKIP(キュースキップ)」の販売ウェブサイトから、会員登録を済ませてデジタルチケットを購入。利用当日に画面でクレカタッチまたはQRコードを選び、田園都市線全駅に置かれた対応改札機の読み取り部にタッチして入出場する。

 対象チケットは「田園都市線・世田谷線ワンデーパス」「田園都市線・世田谷線・東急バスワンデーパス」「世田谷線散策きっぷ」の3種類。決済の対象ブランドはVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverで、Mastercardはタッチ乗車非対応。

 改札機については、今冬に東横線、目黒線、大井町線などに拡大し、2024年春にこどもの国線にも設置予定。世田谷線は同年春に、車両または改札窓口に読み取り機器を整備する。東急新横浜線は今冬に新綱島駅、24年度内に新横浜駅にそれぞれ置く予定。

 今冬以降、改札機の整備に合わせて「東急線ワンデーパス」といった既存企画乗車券や、乗車券と沿線施設の連携サービスを、24年度に有料座席指定サービス「Q SEAT」の座席指定券をそれぞれ追加予定。また、よりシームレスな乗車を実現するため、後払いの乗車サービスについても、24年春以降の実施に向けて検討を進めていく。

 サービス開始に先立ち、8月29日に渋谷駅で報道公開が行われ、東急電鉄の稲葉弘広報・マーケティング部統括部長は「全線の整備スケジュールを考えて田園都市線からスタートすることになった。企画乗車券をデジタル化することでターゲット層が広がり、より多くの方に沿線との出合いを楽しんでほしい」と話した。

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