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羽田エクセルホテル東急 新たなコンセプトルーム 駐機場目の前に、パイロット気分 !

2024.04.11
㊤滑走路に面した立地を生かし、新たに生み出したコンセプトルーム㊦精緻(せいち)に作りこまれたパネルが臨場感を醸し出す(日本航空提供)

 〝本物〟の操縦席活用

 日本航空(JAL)が新たに開発したコンセプトルーム「JAL Cockpit ROOM」が人気だ。ボーイング767―300型機で使用されていた操縦席を再利用した客室で、羽田空港第2ターミナル直結の羽田エクセルホテル東急に誕生。客室の窓からは駐機場が見渡せ、臨場感あふれるパイロット気分を味わえる。

 

 滑走路側の4階の一室にお目見え。実際に使用されていた部品を活用したモックアップだが、日航の運航乗務員が監修・製作した。操作パネルにライティング機能を施し、夜間フライトの雰囲気も演出する。

 客室の窓からは実際に羽田空港を離発着する航空機を目の当たりにできる。現役の客室乗務員による離陸前のアナウンスも流れ、本物さながらの空間に。広さ28平方㍍、1室2人利用で、料金は3万5300円から。

 航空をテーマにしたホテルの客室は、これまで千葉県浦安市のホテルでJALエンジニアリングが手掛けたウイングルームが人気を博していたが、ホテル閉鎖に伴い姿を消した。

 今回のコンセプトルームも同社によるものだが、「誘導路に隣接する唯一のホテルで親和性が高い」(矢田貝弦JALエンジニアリング部品サービスセンター企画グループアシスタントマネージャー)と、新たな企画に至った背景を説明する。

 また、矢田貝アシスタントマネージャーは「ダイナミックなコックピット体験を気軽に味わっていただける。一番の売りは夜間ですね。ライトアップを施すのには、とても時間を要し、着想から約2年かかりました。ぜひ、夜の風景をお楽しみいただきたい」とPRする。

 従来の客室には搭乗客の目に触れるシートやミールカートなどをあしらっていたが、今回は「お客さまに近い場所ではないコックピットの設備を再利用しています。安全にお楽しみいただけるよう、本来は可動する部分を固定するなど工夫を凝らしました」(矢田貝氏)という。

 人気は上々で、8月まで週末は、ほぼ予約でいっぱい。「設計段階から約1年半。何度も検討、変更を重ねました」(同)というこだわりの部屋で、若手整備士がまとめた機材の歴史、シートの豆知識などを載せたリーフレットも置かれている。

 

 航空廃材生かし商品開発

 同社は2021年7月、羽田空港内での構内営業権第三類を取得。製作物を製造・販売する権利を得て、同10月から航空関連の廃材を生かした商品を販売してきた。

 航空機材は技術基準に沿い、規定の運航時間、回数に達すると廃材にしていたが、もともと耐久性に優れ、二次使用には十分に活用できるといい、JALグループではさまざまなアイデアを基に新商品を創出してきた。先月には空港内で、ウイングレットの一部を使った「廃材ジュエリー」の販売を開始している。

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