交通新聞社 電子版

墨滴 2月6日付

2024.02.06

 最初に聞いた時は耳を疑った。東急の観光列車「THE ROYAL EXPRESS」(ザ・ロイヤルエクスプレス)が四国を走る――。だが、本当にやって来た。1月4日の仕事始めの朝、JR四国本社ビル1階の窓越しに、青い車体がゆっくりと通過していった▼この列車は普段、伊豆エリアを走る。8年前、東京都内で開催された名称・デザイン決定の記者会見に出席していたが、その後担当が変わり、実際に見たのは初めて。感慨深いものがあった▼列車は訓練運転を経て、同26日から「四国・瀬戸内クルーズトレイン」として営業運転を開始した。岡山を起点に瀬戸大橋線を経由し、主に予讃線を走行。専用バスや貸切船も利用する3泊4日の行程で、3月1日出発分までの全6回が完売している▼営業運転に先立って行われた「乗車取材会」。JR九州の「ななつ星in九州」などを手掛けた水戸岡鋭治ドーンデザイン研究所主宰のデザインによる豪華な車内で、バイオリンとピアノの演奏を楽しみつつ、松山の名店によるすしを味わった。機関車のけん引による客車列車のような風情が感じられたのも、また良かった▼四国での運転実現は、関係者の並々ならぬ熱意と努力のたまものだ。JR・民鉄の枠を超えた鉄道会社の底力に敬意を表するとともに、今回の成功と来年以降の運転継続を願いたい。

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