特集 相鉄グループ 「ゆめが丘ソラトス」開業 地域、人、つなぎ にぎわい広げる
相鉄グループの相鉄アーバンクリエイツと相鉄ビルマネジメントが整備を進めてきた相模鉄道いずみ野線ゆめが丘駅前の大規模商業施設「ゆめが丘ソラトス」が7月25日にオープンした。新たなまちづくりを進めるゆめが丘駅周辺エリアのハブとして、自然や農業など地域の魅力を発信するとともに、若い世代に新たなまちの暮らしやすさをアピールするため、子どもと一緒に来たくなるような遊び場などを整備。環境や持続可能性にも配慮した施設となっている。(鴻田 恭子記者)
若い世代が暮らしやすく
横浜市郊外のゆめが丘は、川の恵みによる農業が盛んな地域。計画中の開発エリアは約24㌶で東京ドーム5個分、エリア内には1999年に開業したゆめが丘駅、さらに横浜市営地下鉄ブルーラインの下飯田駅がある。開発プロジェクトは、土地区画整理事業を行い、商業施設や病院、住宅、公園などがそろう「まち」を創出するもの。4月には病床数156床、24時間体制で救急医療を提供するゆめが丘総合病院が開院した。
住宅の建設も進んでおり、5月に木造賃貸マンション「KNOCKS(ノックス)ゆめが丘」が竣工(しゅんこう)。分譲マンション「グレーシア ウエリス横浜ゆめが丘」の建設も始まっている。相鉄・JR直通線や相鉄・東急新横浜線の開業もあり、交通の利便性も向上。今後、分譲マンションや戸建て住宅の整備を進め、約5200人が住む「まち」をつくる計画だ。
エリアの良さ前面に
そのエリアのハブとして誕生した「ゆめが丘ソラトス」は、「食」「アクティビティー」「教育・文化」など、多様な体験ができる交流型施設を目指す複合商業施設。「『ゆめが丘に暮らす』がみえる場所」をうたっており、ゆめが丘の良さを感じることを前面に押し出している。施設名「ソラトス」も、広大な空をイメージして付けている。
施設は3区画に分かれており、中心となる「ソラトス1」は鉄骨造り3階建て(商業3フロア)で立体駐車場棟を併設。「ソラトス2」は3階建て(商業1フロア)で家電量販店が入居、上部は駐車場となっている。「ソラトス3」は駅高架下にある。店舗面積は約4万2700平方㍍。全129店舗となっている。
子どもが楽しめる場所
特徴の1つは子どもが楽しめるスペースの多さ。屋上には「営業色を排除した」という約3000平方㍍の遊び場「そうにゃんぱーく そらの広場にゃん」があり、相模鉄道キャラクターのそうにゃんをモチーフにした遊具をそろえ、芝生の広場も設けた。
各フロアにはキッズトイレや授乳室を整備。3階のシネマコンプレックスは10スクリーンのうち1つを関東初となる常設のキッズシアターとした。前方スクリーン下のスペースにクッション素材の遊び道具を配置。映画に飽きた子どもが移動して遊ぶことができる。同じ3階には屋内アミューズメントパーク「ASOBLE(アソブル)」もあり、「ふわふわドーム」など人気の遊具の多くを無料で楽しめる。
魅力の発信、体験・交流を創出
地元の食PR、催事空間も
店舗は食体験を強化。1階には地元産の牛乳を使ったスイーツ店、県産小麦のべーカリーや店内で醸造するビール醸造所などがある。シェアキッチンもあり、生産者によるレシピ紹介などのイベントにも対応する。スーパーマーケット「そうてつローゼン」や青果、精肉、鮮魚などの店舗もそろう。3階には全9店舗、約700席のフードコートが設けられた。
施設内吹き抜け部近くの2、3階には地域交流体験スペース「SORATOS Room(ソラトスルーム)」を設けた。催事や展示、セミナーなどに活用できる。オープンに先駆け、ゆめが丘ソラトスとエリアに関連する企業などで構成するゆめが丘エリアマネジメント協議会も発足。同ルームなどの場所を活用し、地域と連携してにぎわいを創出していく。
持続可能性にも配慮
環境への配慮もセールスポイントで、屋上部には約3000枚の太陽光パネルを設置し、施設で消費する電気の約7・5%を賄う。また、飲食店から排出される廃食用油を回収してSAF(持続可能な航空燃料)として再生する取り組みや、生ごみなど食品廃棄物を集めて発酵させ、たい肥化する取り組み、焼却処理される不要な衣服を回収して再資源化する取り組みなども実施。排水を処理し、トイレ洗浄や植栽の散水などにも活用している。
また、自動配送ロボットとモバイルオーダーを組み合わせた商品配送サービスも計画。アプリから同施設の指定店舗の商品を注文すると、自動配送ロボットが指定場所まで配送するシステムを提供する。今月18日までは施設内でロボットのお披露目、その後は施設内や周辺のマンションなどへの配送を開始、将来的には配送対象を24㌶の開発エリア全体に広げていく。モバイルオーダーでは、ゆめが丘駅改札外に設置した宅配ロッカーへの人間による商品配送もできる。
子育て世代に選ばれるまちに
相鉄グループでは「新しいまちをつくるにあたり、子育て世代にも選んでもらえるようなまちにしたいと思い、ソラトスにも子どもが楽しめる場所を作った。ゆめが丘にはサイクリングロードや観光農園での農体験などまだ知られていない場所もある。お客さまがソラトスを介して地域の魅力を知り、ソラトスから地域へと出て、にぎわいが広がっていくような、買い物だけではない体験ができる施設にしたい」としている。
検索キーワード:東急
299件見つかりました。
241〜260件を表示
-
-
2024.01.11 民鉄・公営・三セク 記録・調査・統計
神奈川県内大手民鉄5社 年末年始利用者数は2.4%増
神奈川県内に路線を持つ大手民鉄5社(京王電鉄、小田急電鉄、東急電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道)は10日、年末年始(12 月 31 日~1月3日)の定期外輸送実績
-
-
2024.01.01 民鉄・公営・三セク 特集
元旦号 2024公民鉄 今年の話題 関東
大規模開発が各所で進展 タッチ決済拡大 コロナ禍からの経済回復が進む中、首都圏各社が運賃改定やバリアフリー料金徴収を開始。
-
2023.12.28 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
東急電鉄 「Q SEAT」の「おためし半額キャンペーン(第2弾)」
東急電鉄は2024年1月9日から、東横線の有料座席指定サービス「Q SEAT」の「おためし半額キャンペーン(第2弾)」を実施する。
-
2023.12.26 その他業種分類 記録・調査・統計
年間日誌 2023
■JR東海社長に丹羽氏内定 1月 【11日】 JR東海が4月1日付で金子慎代表取締役社長が代表取締役会長に就任し、後任の新社長に丹羽俊介代表取締役副社長が昇格
-
2023.12.19 JR東海 予定・計画・施策
JR東海 ダイヤ改正 東京―新大阪間 臨時「のぞみ」増設
【JR東海】 東海道新幹線は、利用が多く見込まれる日に東京―新大阪間の臨時「のぞみ」を早朝下り1本、夜間上り2本を増設する。
-
2023.12.18 民鉄・公営・三セク 営業・事業・車両
東京メトロ 南北線9000系 8両編成化、輸送力増強し混雑緩和
東京地下鉄(東京メトロ)は、南北線の9000系で中間車2両を新造し、従来の6両から8両に増結した1編成の運行を16日から開始した。
-
2023.12.18 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
相鉄 24年3月16日にダイヤ改正
相模鉄道は2024年3月16日、相鉄・東急直通線開業後の輸送状況を考慮し、一部列車の行き先、および運転時刻の変更に伴うダイヤ改正を行う。
-
2023.12.14 その他業種分類 記録・調査・統計
月間日誌 23年11月
【国土交通省関係】 政府が2023年秋の叙勲受章者を発表=国土交通省関係は303人(3日) 政府が23年度補正予算案を閣議決定(10日) 鉄道建設・運輸施設整
-
2023.12.13 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
首都圏民鉄各社 年末年始運転計画 京成、京王が終夜運転
首都圏民鉄各社は年末年始の運転状況について発表した。30日(一部29日)―来年1月3日は土曜日・休日ダイヤなどで運転。
-
2023.12.12 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
メトロ文化財団 「ステーションコンサートin渋谷」を開催
メトロ文化財団は16、17日、渋谷駅構内B1出口方面で「ステーションコンサートin渋谷」を開催する。東京地下鉄(東京メトロ)と東急電鉄の後援。
-
2023.12.11 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
東急電鉄 クレカタッチ機能活用の乗車サービス対応駅拡大 東横線、目黒線などに
東急電鉄はあす12日から、田園都市線で実施中のクレジットカードタッチ機能とQRコードを活用した乗車サービスの実証実験について、東横線と目黒線の全駅、東急新横浜
-
2023.12.08 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
東急モールズデベロップメント テナント独自に休業日設定できる制度を試行
東急モールズデベロップメントは来年1月30日から、運営する商業施設「たまプラーザ テラス」(横浜市)で、出店店舗が自由に休業日を設定できるフレックス休暇制度「
-
2023.12.08 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
東急電鉄 世田谷ボロ市 世田谷線を臨時ダイヤに
東急電鉄は15、16日と来年1月15、16日、東京都世田谷区で開催される「世田谷ボロ市」に合わせて、世田谷線を臨時ダイヤで運転する。
-
2023.12.01 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
東急 「窓ぎわのトットちゃん」コラボ スタンプラリーや車内放送など
東急は、アニメ映画「窓ぎわのトットちゃん」の公開(8日予定)を記念して、コラボレーション企画を展開している。