小田急 24~26年度 中期経営計画を発表
地域経済圏発想で事業展開
小田急電鉄は、経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業にむけて~」の実現に向けた本年度から2026年度までの中期経営計画を発表した。同ビジョンでは、21~23年度を経営基盤の再構築を行う「体質変革期」、本年度~30年度を新たな価値を創出する「飛躍期」と位置付け、地域経済圏発想での事業展開や事業ポートフォリオの最適化を通じて、収益力向上に向けた成長投資を拡大していく。
今回の中期経営計画では、四つの重点施策、三つの戦略とガバナンスで経営基盤強化を推進。重点施策には①交通領域の進化②不動産領域の強化③デジタルを活用した新規事業の探索・成長④観光需要の取り込み/地域を彩る生活サービス――を掲げる。
このうち①交通領域の進化は、人手不足への対策と災害への耐性強化に重点的に取り組み、持続可能な運営体制を早期に確立。35年度までに同社鉄道事業の要員体制を20年度比30%減とする。併せて、交通結節機能を強化するとともに、移動需要の喚起により交通サービスの収益最大化、安定的な利益獲得を目指す。
②不動産領域の強化では、新宿駅西口地区開発計画に約1300億円を投資。北側のA区(小田急、東急不動産、東京地下鉄〈東京メトロ〉の3社共同事業)と、南側のB区(小田急単独事業)で構成し、駅と駅前広場、駅ビルなどが有機的に一体化した次世代ターミナルを整備する。建物は29年度竣工(しゅんこう)予定。同領域では沿線中核都市を中心とした多彩なまちづくりなどにも注力する。
経営基盤強化の三つの戦略は「DX」「環境」「人財」で、DX(デジタルトランスフォーメーション)では同社全社員のデジタル関連の基礎知識保有に向けた取り組みなどを推進。環境は「小田急グループ カーボンニュートラル2050」施策の具体化、人財では従業員のエンゲージメントや労働生産性向上に向けた施策などをそれぞれ進める。
連結財務目標は、営業利益が26年度500億円、30年度700億円。30年度の内訳は、交通領域270億円、不動産領域300億円、生活サービス領域100億円、デジタル領域30億円。財務健全性(有利子負債/EBITDA倍率)は26年度7・8倍、30年度7倍程度。
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