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西鉄自然電力 系統用蓄電所「西鉄自然電力バッテリーハブ宇美」開設 福岡県宇美町に

2024.06.17
テープカットする林田西鉄社長(左から2人目)ら

 西日本鉄道と自然電力(福岡市中央区)が出資する西鉄自然電力(同市博多区)は10日、系統用蓄電池事業の第1弾として、福岡県宇美町に系統用蓄電所「西鉄自然電力バッテリーハブ宇美」を開設した。電力市場取引による収益化を図るとともに、再生可能エネルギー発電の普及、脱炭素推進への貢献につなげる。運用(市場取引)は11日に開始した。

 同事業は、大型蓄電池を既存の送配電ネットワークに接続し、「電力量」の市場取引や、電力需給の「調整力」と「供給力」の提供により収益化を図る。九州エリアにおける再エネ電源の増加で調整力のニーズが高まる中、調整力の取引市場の本格運用が始まり、事業収益化が見込めるという。

 バッテリーハブ宇美は、西鉄が所有するバス駐車場内の約400平方㍍の敷地に、伊藤忠商事が開発した蓄電システム「Bluestorage」を設置。蓄電池容量は4・659㍋㍗時(一般家庭約400世帯分の1日使用量に相当)。

 運用面は、自然電力のエネルギー管理システム(EMS)「Shizen Connect」で、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などを活用して収益最大化を実現する最適な充放電計画を作成。電力市場への入札、約定履行まで必要な制御を一貫して行う。

 同事業では、今年11月に福岡県筑豊地区に2カ所目を開設予定。2025年度までに同規模の系統用蓄電所を計10カ所に拡大する計画。将来的にはバスバッテリーのリユース・リサイクルなどにつなげる狙いもある。

 同日は現地で開所式が行われ、林田浩一西鉄社長、川戸健司自然電力代表取締役、林田安弘西鉄自然電力社長らが出席。林田西鉄社長が「系統用蓄電池事業は社会的な意義がある事業と考えており、再エネの普及が進む九州において大きなビジネスチャンスとなる」とあいさつした後、出席者がテープカットした。

テープカットする林田西鉄社長(左から2人目)ら

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