特集 JR東日本 盛岡支社 新観光列車「ひなび(陽旅)」23日デビュー
地域と地域を結ぶ
東北の自然、ぬくもり感じて
JR東日本盛岡支社が23日から東北線盛岡―花巻間と釜石線花巻―釜石間を中心に営業運転を開始する新観光列車「ひなび(陽旅)」(HB―E300系2両編成)。インテリアデザイン面では、東北人の情熱をイメージした赤色や、雪に見立てた白色を随所に配して厳寒に負けない要素を表現。車内空間は深みのある色合いに統一されている。高級感と落ち着きのある空間を演出している「ひなび」の概要を紹介する。(福原 潤記者)
「ひなび」は、〝のってたのしい列車〟「リゾートあすなろ」を改造。1号車がグリーン車指定席、2号車が普通車指定席。運転台の後部には展望室を設けている。1号車のグリーン車指定席は、4人掛けボックスシート12席、2人掛けボックスシート10席、1人掛けシート3席を配置。座席定員は合計25人。濃紺な色合いの座席とボックスシートを中心とした高級感とともに、個室感を楽しめる車内空間に仕上げた。展望室は腰掛けやソファを設置して、側面の大型窓と合わせてゆったりと四季折々の景観を楽しめる。
2号車の普通車指定席は、2人掛けリクライニングシート32席、1人掛けリクライニングシート2席の定員34人。温かみのある橙(だいだい)色を基調としており、1号車同様に展望室を設けている。1号車のグリーン料金は、営業キロ150㌔まで2000円、151㌔以上は3000円。2号車の指定席料金は840円(通年)。
同支社の担当者は「車内での企画や列車入線時のお出迎えなどでは、地域の皆さまの協力をいただいて一緒につくり上げ、愛される列車を目指していきたい」と話す。
車両のデザインは、同支社社員らによる釜石線活性化「結」プロジェクトのメンバーが考案した。外装は、同支社管内の気動車に広く用いられた通称「盛岡色」と呼ばれる「白地に赤ライン」を採用。横のラインをひもに見立て、先頭部に水引の結びである梅結びを入れて、地域間を結ぶ列車をイメージ。2両の連結部中央には「山」、窓下には波や川の模様、花吹雪などを配置して、豊かな自然を表現している。
デビュー日の23日は旅行商品専用の団体臨時列車として運行。30日からは臨時列車として、土・日曜日・祝日を中心に東北線盛岡―花巻間と釜石線花巻―釜石間を1日1往復する。当面は30、31日、1月3、6、7、8、20、21、27、28日、2月17、18、23、24、25日の計15日間の運行を予定している。
同支社地域共創部地域連携ユニットの富岡耕太ユニットリーダーは「この『ひなび』を使って地域を結び、東北の自然やぬくもりを感じてもらいたい。希少な観光資源の一つとして、景観も楽しめるのが鉄道だ。雄大な景色を楽しんでいただければ」と言葉に力を込める。
■1月から観光キャンペーン
「ひなび」投入とともに、地元では岩手県と盛岡市、県内各自治体、JR東日本盛岡支社などで組織する「いわて観光キャンペーン推進協議会」が来年1月1日から、観光キャンペーン「しあわせな予感♥いわて冬旅キャンペーン」を3月31日まで開催する。期間中、同県の自然・絶景、歴史・文化、食など同県の魅力を生かして、観光事業者などと共にプロモーションを展開。首都圏からの誘客や県内周遊の促進などを図る。
同キャンペーンは、JR東日本が来年1~3月に同県を冬の重点販売地域に指定したことを受けて実施するもの。「きっと知らない冬がある、いわて。」をキャッチコピーに、内陸地域の温泉やスノーリゾート、三陸沿岸の冬の味覚や絶景など、各エリアの特色ある観光コンテンツを用いて、内陸地域の滞在型観光や内陸から沿岸への周遊観光を提案していく。
主要駅などでポスターを掲出するほか、「ひなび」デビュー日となる今月23日には盛岡駅でオープニングセレモニーを実施。観光関係者の機運醸成を図るとともに、同キャンペーンを広く周知する。
同協議会の会長を務める達増拓也岩手県知事は「地元の人でもやったことのない企画など、いろいろな体験企画を取りそろえている。県外から来る人にとっては、一生の思い出となること請け合い」、副会長を務める久保公人JR東日本執行役員・盛岡支社長・同支社鉄道事業部長は「移動手段としてひなびを利用するだけでなく、乗ること自体が目的になることを目指している。地域の方々と一緒になって魅力的な旅を提案していきたい」と、それぞれ話している。
■事前予約「うけとりっぷ」を導入
一般向けの営業列車としての運行を開始する今月30日からは、スマートフォンで沿線のグルメなどを簡単に事前予約・決済し、駅や列車内で受け取れるサービス「うけとりっぷ」を車内で導入する。
JR東日本ホテルズのホテルメトロポリタン盛岡が「ホテルメトポリタン盛岡の味を、もっと近くに。」をコンセプトに、盛岡駅ビル「フェザン」で展開するテイクアウト専門店「メトロ de DISH UP」が手掛ける季節の味覚を味わえる「特製松花堂弁当」(1700円)をはじめ、宮沢賢治による造語で、岩手県をモチーフとしたドリームランドを指す言葉「イーハトーブ」の花壇や花畑をイメージした釜石もち屋くどう(同県釜石市)による「イーハトーブ・金時赤飯弁当」(1450円)などをラインアップ。先月30日から予約受け付けを開始している。
検索キーワード:JR東日本
3,626件見つかりました。
581〜600件を表示
-
-
2024.08.30 JR東日本グループ 営業・事業・車両
JR東日本スタートアップなど 「みなかみコーラ」プロトタイプ缶販売
○…JR東日本スタートアップとクラフトコーラ専門メーカーの伊良コーラ(東京都新宿区)が開発中の「みなかみコーラ」の試作品が完成し、あす31日に上越線土合駅で開
-
2024.08.30 JR東日本 予定・計画・施策
JR東日本 「モバイルSuicaでポイントどーん!キャンペーン」第2弾
JR東日本は9月1日から、「モバイルSuicaでポイントどーん!キャンペーン」を開始する。今年3~4月に次ぐ第2弾。
-
2024.08.30 JR東日本 予定・計画・施策
JR秋田支社 東能代駅で仕事体験イベント 限定10人
JR東日本秋田支社は10月20日、東能代駅で「まるっとお仕事体験 in ひがしのしろ」を開催する。
-
2024.08.30 JR東日本 営業・事業・車両
JR秋田支社 「サヨナラ ホキ800形貨車撮影会@土崎」
JR東日本秋田支社は9月21日、秋田総合車両センターで「サヨナラ ホキ800形貨車撮影会@土崎」を開催する。
-
-
2024.08.30 JR東日本 予定・計画・施策
JR東日本 「えきねっとQチケ」周知キャンペーン
JR東日本東北本部は10月1日から東北地方でスタートする新たなチケットレスサービス「えきねっとQチケ」に伴い、「えきねっとQチケ」「新幹線eチケット」などを初
-
-
-
2024.08.29 政府・省庁・鉄道運輸機構 予定・計画・施策
国交省 25年度予算概算要求 航空局関係
羽田事故踏まえ安全強化【航空局関係】 空港整備勘定収支は、歳入、歳出とも3947億円(前年度予算3959億円)。
-
2024.08.29 JR東日本 営業・事業・車両
JR新潟支社 長岡駅南部構内で体験型イベント
JR東日本新潟支社は10月5日、旧長岡車両センターがあった長岡駅南部構内で、鉄道ファン向けと親子向けの体験型イベントを開催する。
-
2024.08.29 JR東日本グループ 営業・事業・車両
JR東日本商事 「Suicaのペンギン ホットサンドメーカー」を発売
○…JR東日本商事は27日から、「Suicaのペンギン ホットサンドメーカー」を販売している。
-
2024.08.29 JR東日本 予定・計画・施策
JR水戸支社 茨城アフターDC 10月から
JR東日本水戸支社は、いばらき観光キャンペーン推進協議会と共に10月1日から12月31日まで「茨城アフターデスティネーションキャンペーン」を展開する。
-
2024.08.29 JR東日本 予定・計画・施策
JR東日本 「上野駅発の名列車」を放映
JR東日本は30日から、上野駅13番線PLATFORM13で鉄道×アートコンテンツ「上野駅発の名列車」の放映を行う。
-
2024.08.29 JR東海 予定・計画・施策
JR東海 観光キャンペーン「いざいざ奈良」始まる
JR東海は28日から、奈良の観光キャンペーン「いざいざ奈良」を紹介するYouTube、特設サイトの開設、駅ポスターの掲出を開始した。
-
2024.08.28 JR東日本グループ 予定・計画・施策
JR東日本スマートロジスティクス 「マルチエキューブWEBサイト」9月2日開設
JR東日本スマートロジスティクス(JRESL)は9月2日7時から、多機能ロッカー「マルチエキューブ」の新たなウェブサイト「マルチエキューブWEBサイト」をオー
-
2024.08.28 JR東日本 予定・計画・施策
JR盛岡支社 津軽線油川駅 駅と郵便局一体運営へ 25年春ごろ開局
JR東日本盛岡支社と日本郵便東北支社(仙台市青葉区)は23日、津軽線油川駅で駅と郵便局窓口業務の一体運営を実施すると発表した。