JR東日本など 「スリットフレームホームドア」導入へ
24年度下期から コスト減、メンテ効率化期待
JR東日本とJR東日本メカトロニクス(JREM)、三菱電機(東京都千代田区)の3社は20日、ホームドア整備の促進を目的として開発を進めていた新型の「スリットフレームホームドア」について、導入のめどがついたことから、本年度下期から従来型のホームドアの後継機として導入すると発表した。従来型と比較して、安全性を維持するとともに、設置コストの削減やメンテナンスの効率化が期待できる。本年度は南武線分倍河原、登戸の2駅に整備。今後も駅やホームの特徴を踏まえ、最適なホームドアの整備を推進していく。
JR東日本は、ホームの安全対策の一環として2031年度末ごろまでに、線区単位で東京圏在来線の主要路線330駅(実際の駅数は244駅)758番線にホームドアを導入する目標を掲げ、整備を進めている。
スリットフレームホームドアはJREMと三菱電機が開発。従来型ホームドアと同様の形状により安全性を維持しつつ、扉や戸袋をスリット化した。風が通り抜ける構造にすることで、ホームやホームドア支持部の風圧影響を従来型から約40%軽減し、ホームの補強など設置工事の簡素化を実現する。重量は、従来型の約400㌔に対し約282㌔と軽量化が図られている。
また、据え付け構造や制御システムで互換性を持たせており、従来型と組み合わせての使用や、工事設計・施工の効率化も期待できる。さらに、保守性に優れた部品や機構を新規採用することで、メンテナンス性が向上し、保守作業の省力化・効率化を図る。
本体価格は、従来型を1とすると、スリットフレームホームドアは0・9(軽量型のスマートホームドアは0・6)。
本年度は、分倍河原駅1、2番線ホーム、登戸駅2番線ホームに設置予定。登戸駅では21年11~12月に、1番線ホームの川崎寄り端部で導入に向けた実環境試験を実施していた。
今後は、JREMが開発した軽量型のスマートホームドアと並行して、従来型の後継機としてスリットフレームホームドアを整備。列車編成が異なるホームで必要な多段式ドアによる大開口といった、従来型でないと難しい箇所でない場合は、スリットフレームホームドアの設置を進めていく。
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