JR東日本・NTT東日本・KDDI 都市OS活用のサービス 品川駅周辺エリアで実証開始
JR東日本、NTT東日本、KDDIは昨年12月26日、品川駅周辺の高輪ゲートウェイ駅と品川港南エリアで、都市OSの活用により地震発生時など非常時のスムーズな避難誘導や混乱防止、平時の混雑緩和を図る新たなサービス提供の実証に向けた協定を同月1日に締結し、実証を開始したと発表した。
協定は、10月に「東京都データ連携・活用促進プロジェクト」の連携準備型プロジェクトに採択されたことを受けて締結された。
都市OSは、街の設備や人に関するデータを収集、分析、活用することで新たなサービス創出を可能とするデータ基盤。今回の実証では、高輪ゲートウェイ駅のある高輪エリア(品川駅北周辺地区)と品川港南エリア(同駅東口地区)のダイヤ遅延情報や在線位置情報、編成当たりの乗車人数などの鉄道運行データと、人流データを活用。非常時の「帰宅困難者のスムーズな避難誘導による混乱防止」と、平時の「滞在需要創出による都市混雑緩和」に取り組み、都市の社会課題解決につなげる。高輪ゲートウェイ駅での実証は3月開始の予定で、実証全体では2025年3月31日まで行う。
具体的には、「TAKANAWA GATEWAY CITY」での都市OSの実装に加え、実証用に他エリアとの連携検証機能を共通の思想で構築。将来のエリア間データ連携の準備を進める。
鉄道運行データと人流データを活用した取り組みでは、首都直下型地震発生の非常時を想定した案内誘導サービスを検証。高輪ゲートウェイ駅や品川港南エリア内の施設(調整中)で、蓄積された人流データといった都市OSの各種データを組み合わせ、避難誘導の案内放送やロボットによる利用者の誘導を行うことで、一時避難と街への誘導をスムーズに実施し、混乱と二次被害を防止する在り方を検証する。
平時では、鉄道の遅延などで駅や電車が混雑した際の誘導や、遅延解消後の帰宅などを促す案内誘導について検証を行う。
JR東日本は全体のマネジメントと高輪ゲートウェイ駅での実証・検証を実施。NTT東日本は「TAKANAWA GATEWAY CITY」との連携検証機能を構築し、品川港南エリアの施設で同駅と同様の実証・検証を担う。KDDIは、同社とJR東日本が進める「空間自在プロジェクト」の一環として「TAKANAWA GATEWAY CITY」の都市OSを構築。サービスの実証と、品川港南エリアとのデータ連携に必要な共通設計を実施する。
実証を通じて、「TAKANAWA GATEWAY CITY」と品川港南エリアのデータ連携に必要な都市OSの設計思想や基本機能をエリア共同で検討。品川駅周辺エリアと連携したエキ・マチ一体の新たなスマートシティーモデルの実装を図る。
将来的には、他のプラットフォームを介した広域的なエリア間連携により、エリア間の回遊性や滞在満足度、QoL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上を目指す。
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