交通新聞社 電子版

特集 JR東日本 新支社長インタビュー 氏森 毅 執行役員・八王子支社長・八王子支社鉄道事業部長

2024.09.11
氏森 毅支社長

 ミッションに共感 達成=自らの仕事に

 新潟支社で総務部長をしていた2018年1月11日、新潟からの上り列車が雪の平原となった信越線帯織―東光寺間で15時間立ち往生する事象が発生した。「お客さまの状況を最優先に、先が見えない中で最悪の事態を想定し、考え得る対策を同時並行的に実行していくこと」。異常時対応の原点を学んだと振り返る。

 八王子支社長に着任後、管内で幾度か大雨により運転を見合わせることになったが、当時の経験が生かせたという。状況を的確に捉え、適切かつ迅速な判断と行動により、早期運転再開を果たした社員の頑張りを頼もしく思う。

 中長距離移動手段として中央線の役割は大きい。今年のお盆期間の「あずさ・かいじ」の利用実績はコロナ前を超えた。「そのような線区を預かっていること、この実績を上げたことを全ての社員が誇りに思って業務に邁進(まいしん)してほしい」

 中央快速線等グリーン車導入は大詰めを迎えている。20年度から9回施工した大規模線路切り換え工事などを経て、「イメージでは第4コーナーを回ってゴール直前だが、車両の案内、清掃を担うグループ会社の皆さんを含め、最後の詰めが迫っている。社員全員で知恵を出し、議論をぶつけ、汗をかき、成功体験を皆で共有したい」と訴える。

 沿線全体をホテルに見立てる地域活性化プロジェクト「沿線まるごとホテル」で最初の施設となるレストランとサウナが青梅線古里―鳩ノ巣間に5月に開業するなど、同支社発の取り組みが成果を出す中、地域の課題解決へ向けてもう一歩踏み込んだ行政や事業者などとの関係性をつくれないか模索する。

 「現場第一線の社員が窓口になり、地域とひざ詰めでオープンに対話し、地域の課題解決を一緒に行うことで、鉄道需要を創り出していく。最前線で関係性を築く中で、さらに企画業務のレベルも上がっていくだろう」と青写真を描く。

 学生時代に打ち込んだラグビーでは、勝つために何をすべきか、個人が努力を重ねチームが一体となる重要性を学んだ。「会社(チーム)のミッションに共感し、そのミッションを達成することが自分の仕事だと思える風土・文化を醸成したい」。ミッションを形にするために、志を同じくする者同士が、何でも言い合えることが必要。「八王子みんな仲良しプロジェクト」を推進していく。

(相川 夏子記者)

 

 ◇氏森 毅(うじもり・たけし)氏略歴 1994年4月JR東日本入社。東京支社(現・首都圏本部)総務部人事課長、新潟支社総務部長、営業部次長、ジェイアール東日本都市開発総務部担当部長、JR東日本新幹線統括本部新幹線企画戦略部長などを経て、今年6月から現職。熊本県出身。55歳。

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