JR東日本 水素ハイブリッド電車「HYBARI」走行試験を報道公開
実証試験で一定の知見や成果 鶴見線で
JR東日本は2月28日、鶴見線鶴見―扇町間で水素ハイブリッド電車の試験車両FV―E991系「HYBARI(ひばり)」の走行試験を報道公開した。2022年3月から南武線川崎―登戸間と同線尻手支線、鶴見線で進められてきた実証試験は、一定の知見や成果が得られたことから24年度末をめどに終了。30年度の営業運転実現に向けて、具体的な設計検討にシフトしていく。
HYBARIは、日立製作所、トヨタ自動車と連携して開発。モーター車(1号車)と付随車(2号車)の2両編成で、モーター車の床下に主回路用蓄電池(2箱)と電力変換装置、付随車の屋根上に水素貯蔵ユニット(4ユニット)、床下に燃料電池装置(2箱)などを搭載。水素貯蔵ユニットには合計20本の水素タンクを搭載し、最大70㍋ パスカル の水素を充塡(じゅうてん)して走行する。最高時速100㌔、最大航続距離は約140㌔。
屋根上の水素貯蔵ユニットに外部から70㍋ パスカル または35㍋ パスカル の高圧水素を充塡。その水素を使って燃料電池で発電する。水素と空気中の酸素との化学反応により発電し、水が排出される。二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンな電車だ。蓄電池は燃料電池からの電力とブレーキ時の回生電力を充電、電力変換装置が燃料電池と蓄電池の両方からの電力をモーターに供給し、車輪を動かす制御を行う。
実証試験は、南武線川崎―登戸間と同線尻手支線、鶴見線で実施。まず南武線で加減速など基本的な性能を確認し、22年9月から鶴見線での走行試験と、70㍋ パスカル の水素充塡試験を開始した。試験内容は、車両性能や水素燃料電池と蓄電池のハイブリッド制御、水素消費量の測定、水素充塡方法の検証などで、24年度末までに1万㌔走行を目標とする。
その後は営業運転実現へ向けた具体的な設計検討にシフト。水素航続距離確保に向けた水素搭載量の拡大や増強と、燃料電池の高出力化に向けた詳細な検討を行っていく。
報道公開では鶴見―扇町間を1往復した。床下の燃料電池から時折、発電などに伴う動作音がするほかは一般的な電車と変わらず、乗り心地はスムーズ。車内にはエネルギーフローを表示するモニターが置かれ、残圧に応じて燃料電池から発電し、蓄電池から電力を供給するなど、停車、力行、惰行の車両状態に応じて変わる電気と水素の流れをリアルタイムで知らせていた。
対応した藤井威人JR東日本研究開発センターエネルギー・環境ユニットユニットリーダーは「当初は少し不安な部分もあったが、想定したハイブリッド制御や水素システムの安定性など、さまざまな点で順調で、合格点を与えられる。2050年のカーボンニュートラル達成の一翼を担えると思う」と述べた。
検索キーワード:JR東日本
3,626件見つかりました。
1〜20件を表示
-
2024.10.18 JR東日本グループ 予定・計画・施策
JR東日本ビルディング STATION WORKとPaO連携開始
JR東日本ビルディング(JEBL)は16日、シェアオフィス事業「STATION WORK」で、クルトン(東京都渋谷区)が展開する個室ブース「PaO」(パオ)と
-
-
2024.10.18 JR共通(グループ) スポーツ
第34回全JRバドミントン大会 北海道9大会連続V
全JRバドミントン連盟が主催する第34回全JRバドミントン大会の競技が10、11日に熊本市の熊本県立総合体育館で開催され、1部ではJR北海道が9大会連続33回
-
2024.10.18 JR東日本 予定・計画・施策
「大阪・関西万博 山手線ADトレイン」出発式
2025年日本国際博覧会協会は16日、JR山手線大崎駅外回りホームで「大阪・関西万博 山手線ADトレイン」(広告貸切列車)の出発式を開催した。
-
2024.10.18 JR東日本 営業・事業・車両
JR新潟支社 C57撮影会
JR東日本新潟支社は11月26、27日、新潟車両センター新津派出所と新潟統括センター新津乗務室で「SL C57180撮影会」「SL〝アフター5〟撮影会」を開催
-
2024.10.18 JR東日本 営業・事業・車両
JR東北本部 トロリ線使用のオープンナイフ販売
〇…JR東日本東北本部とJR東日本東北総合サービスはあす19日10時から、役目を終えた東北新幹線のトロリー線を利活用した「オープンナイフ」を通販ウェブサイト「
-
2024.10.18 JR東日本 予定・計画・施策
JR新潟支社 「やひこ鉄道の日フェア」を開催
JR東日本新潟支社は26、27日の2日間、弥彦線弥彦駅周辺で「やひこ鉄道の日フェア」を開催する。イベントではミニSLの運転や子ども駅長制服体験などを予定。
-
2024.10.18 JR東日本 営業・事業・車両
JR高崎支社 高崎―小山間で「絢都 Shu*Kura」運転へ
JR東日本高崎支社とJR東日本びゅうツーリズム&セールスは12月7日、両毛線高崎―小山間で「絢都 Shu*Kura 」を運転する。
-
2024.10.18 JR東日本 営業・事業・車両
JR首都圏本部 「旅」をテーマにしたNFTアート販売
JR東日本首都圏本部は23日から2025年1月22日まで、信濃町駅で「Yamanote Line Museum NFT Art」を展示・販売する。
-
2024.10.18 JR東日本 予定・計画・施策
JR東日本 東京駅開業110周年で記念イベント
JR東日本は、東京駅開業110周年を記念したイベントを開催する。12月21日に特別列車「東京駅開業110周年記念号」を運行するほか、駅コンサートを予定。
-
2024.10.18 JR東日本 予定・計画・施策
「JR東日本スタートアッププログラム2024秋」募集始まる
JR東日本は、ビジネス創造活動「JR東日本スタートアッププログラム2024秋」のエントリーを17日から開始した。11月28日まで。
-
2024.10.17 JR東日本グループ 予定・計画・施策
ジェイアール東日本都市開発 一時託児所を取り入れた子育て支援新規事業の実証実験
ジェイアール東日本都市開発は、「一時託児所」を取り入れた子育て支援新規事業「TAKUJI STATION タクステ」の実証実験を行っている。