交通新聞社 電子版

墨滴 3月12日付

2024.03.12

 東日本大震災の発生からきのう11日で13年を迎えた。この日が来ると改めていろいろなことを考えさせられる▼震災から数年後、墨滴子は仙台に赴任して、甚大な被害を受けた東北3県の沿岸部を含むエリアで、JR東日本の取り組みを中心に担当した。赴任期間中、鉄道関係では仙石線の全線運転再開と「仙石東北ライン」開業、石巻線全線再開、常磐線相馬―浜吉田間の運転再開、山田線復旧などを取材した▼さらに、観光面でも各県での大型観光キャンペーンのほか、乗ること自体が目的となる〝のってたのしい列車〟「SL銀河」などの出発式に立ち会い、被災地と連携した数多くの「6次産業化」商品なども紹介。関係者の前向きなコメントとともに記事にした▼今月公表された、ある報道機関による被災沿岸地域の住民アンケートでは、全体の8割が「何らかの国の支援が必要」と答え、「不十分」の意見も3割に上った。厳しい地域経済の現状や、町のにぎわい復活を求める声のほか、心のケアの必要性を唱える意見も。被災経験を「話さない」「話せない」人が合わせて1割近くいた▼毎年のようにどこかで自然災害が起こり、心に痛みを持っている人は多いだろう。週末からの報道などに触れて、長いスパンでさまざまな視点から読者に伝え続けていかなければならないと再認識させられた。

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