国交省 「今後の都市鉄道整備の促進策のあり方に関する検討会」の初会合
国土交通省は15日、「今後の都市鉄道整備の促進策のあり方に関する検討会」(座長・山内弘隆武蔵野大学経営学部特任教授)を立ち上げ、省内で第1回会合を開催した。
新線建設や複々線化だけでなく、駅改良(駅機能高度化)、バリアフリー化なども含む今後の都市鉄道整備の促進策の在り方について、制度や費用負担などの視点から検討を行う。委員は山内座長を含む有識者5人。オブザーバーとしてJR東日本、JR東海、JR西日本、西武鉄道、東急電鉄、名古屋鉄道、京阪電気鉄道、阪急電鉄、日本民営鉄道協会が参加している。
冒頭、村田茂樹同省鉄道局長は「都市鉄道は長年の取り組みにより着実に機能強化されてきた。引き続き、利便性向上、利用促進のため着実に整備を進める必要があるが、担い手となる事業者はコロナ禍の打撃やテレワーク定着、人口減少予測などから積極的な大規模設備投資が難しくなっている。多様な主体に幅広く受益する都市鉄道の性質に着目し、受益者負担の在り方や既存の制度・運用の改善策などについて議論を深めてほしい」とあいさつした。
この後、事務局の鉄道局都市鉄道政策課から、「特定都市鉄道整備積立金制度」「新線建設に係る加算運賃制度」のデメリット、「鉄道駅バリアフリー料金制度」の収受状況、沿線自治体、周辺開発事業者・団体の負担事例などを説明。
その上で、都市鉄道整備が沿線地域の活性化など多様な主体に幅広く受益するという視点から、①今後の都市鉄道の整備(新線整備、輸送力増強、大規模駅改良など)を着実に進める上での基本的な考え方②費用負担についての基本的な考え方(負担の主体、負担の方法など)③利用者ニーズに的確・迅速に対応した都市鉄道整備を進める上での現行制度(特に利用者負担制度)の課題――について議論を求めた。
検討会では今後、鉄道事業者や自治体などに、プロジェクト推進時の課題や費用負担の在り方、制度の課題などについてヒアリングを行い、6月ごろにとりまとめを行う予定。
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