鉄道文学会 第36回全国大会 「鉄道文学大賞」受賞作品きまる
鉄道文学会の第36回全国大会(鉄道文学会、西日本鉄道文学会主催、JR西日本、JR西日本グループ各社、交通新聞社など後援)が9日、京都市のホテルグランヴィア京都で開かれた。東日本、東海、西日本、四国、九州、貨物の各鉄道文学会会員、北海道からの有志ら36人が参加。会場では「第23回鉄道文学大賞」の受賞作品も発表された。
冒頭あいさつに立った喜㔟陽一会長(JR東日本副社長)は、全国大会が長きにわたって続いていることについて、「諸先輩、会員の皆さまの熱い思いのたまものだと受け止めている」と敬意を表するとともに、「コロナ禍の3年間、鉄道事業者にとって非常に厳しい時が続いたが、弱気になってはいけないと社員の方々が頑張ったことが、今日の(回復しつつある)状況につながっているのではないかと思う」と振り返った。
続いて、文学に親しみ、作品を創作することの意義などに言及。「大会が文学を通じた心の交流と、JRに職を奉じているものとしての心の結束が強まる場になることを期待している」と話した。
来賓の松河克彦交通新聞社取締役・総務部長は「相互の連携を深め、今後の裾野を広げるというところにつなげていただければ」とあいさつ。橋本修男西日本鉄道文学会会長(JR西日本グループ執行役員・JR西日本SC開発社長)は「大会でインスピレーションを得て、あすからの文学活動に取り組まれること、現役の方には仕事に物語を与えてより価値の高いものにしていただけることを念じている」と期待を述べた。
この後、妙心寺退蔵院(京都市右京区)の松山大耕副住職による「禅とことば」と題した講演が行われた。翌10日には文学散歩として同院の拝観も行われた。
鉄道文学大賞受賞作品は次の通り(敬称略)。
【散文部門】
最優秀賞=「太郎の墓に」石川洋一郎(西日本、小説)
優秀賞=「朔太郎と鉄道」曽我治夫(東日本、随筆)
佳作=「戦中の駅にて」伊藤信平(東海、随筆)▽「会いたい人に会う話」永田紅音(九州、小説)
【短文部門】
最優秀賞=「ナイト トレイン」畑廣成(西日本、詩)
優秀賞=「もう往生しゃあええのに」石川和美(西日本、詩)
佳作=「バラスト軌道」三本木昇(東日本、詩)▽「トロッコ車」池田敬子(四国、俳句)
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