JR東日本 中央快速線・青梅線でグリーン車サービス開始 25年春から
10月13日から順次連結
JR東日本の喜㔟陽一社長は10日の定例会見で、中央快速線・青梅線に2階建てグリーン車を2両連結し、来年春からグリーン車サービスを開始すると発表した。サービス開始に先立ち、グリーン車を連結した12両編成の電車を10月13日以降順次導入。サービス開始までの期間は、グリーン料金不要で快適な乗り心地を体験できる。これにより、東京駅を中心として、首都圏の各方面に向けたグリーン車サービスが拡充される。
同社はグループ経営ビジョン「変革2027」で、ニーズに合わせた付加価値の高い移動空間と輸送ネットワークの提供を掲げている。中央快速線は、首都圏主要5方面(東海道、中央、東北、常磐、総武方面)で唯一グリーン車の連結がなく、着席サービスのニーズが高いことから、グリーン車サービス導入の準備を進めてきた。
グリーン車の運転区間は、中央快速線東京―大月間(E233系のみ)と青梅線立川―青梅間(中央快速直通列車のみ)。東京方から4、5両目に組み込み、1編成10両から12両になる。導入編成数は57編成で、新製グリーン車114両は同社グループの総合車両製作所(J―TREC)が製造。
車両の主な特徴として、スムーズな乗降を図るため、従来の在来線グリーン車で採用している片開きドア(開口幅810㍉)から、普通車と同サイズの両開きドア(開口幅1300㍉)に変更。さらに、東京駅などの折り返しで短時間の車内整備を可能とするため、在来線では初めて座席を自動的に回転する仕組みを導入した。
両開きドアの導入でデッキが広くなることから両端部の客室の座席数が減少するが、客室スペースの2階部分を広げることで、グリーン車2両合計の定員は従来の在来線グリーン車と同じ座席数を確保した。4号車はトイレ、洗面台、乗務員室、業務用室があり定員86人、5号車は94人。
「JR-EAST FREE Wi-Fi」や「グリーンアテンダント」などのサービスも受けられる。サービス開始後のグリーン料金は、首都圏他線区と同じ料金とする予定。
グリーン車運転区間の全44駅や車両基地などでは、ホーム延伸や線路、信号の改良など、地上設備の工事を進めてきた。このうち、大規模な線路切り替え工事は20年11月の青梅線牛浜から昨年10月の高尾まで計9回実施。今後もグリーン車連結開始に向けて、各駅ホームの12両編成対応部分の使用開始、停車位置や乗車口の変更など、必要な準備を進める。
10月13日以降順次、グリーン車を連結し、サービス開始までの期間はグリーン料金不要(普通車扱い)の「グリーン車お試し期間」として、快適な乗り心地を体験できる。準備期間のため、「JR-EAST FREE Wi-Fi」などは利用できない。来年3月上旬までに全57編成で連結される。10両編成と12両編成が混在するが、利用日に駅の発車案内表示や、JR東日本アプリの列車走行位置で確認できる。列車走行位置ではグリーン車の利用状況も表示される。
喜㔟社長は「中央線をご利用になるお客さまから着席ニーズの要望を多くいただいていた。それに応えることができるのはわれわれにとっても意義がある」と述べた。
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