JR高崎支社 吾妻線長野原草津口―大前間 総合的議論の申し入れ
JR東日本高崎支社は22日、吾妻線渋川―大前間(55・3㌔)のうち、利用者が減少している長野原草津口―大前間(13・3㌔)について、沿線地域の総合的な交通体系に関する議論を行いたいとの申し入れを、群馬県と同県長野原町、嬬恋村に対して行ったと発表した。
同線は1945年1月、渋川―長野原(現・長野原草津口)間が長野原線として開業。71年3月に長野原―大前間を延伸開業するとともに、線名を現在の吾妻線に改称した。
現在の渋川―大前間の運転本数は上り5本、下り4本。長野原草津口―大前間の1日1㌔当たりの平均通過人員は、同社が発足した87年度に791人だったが、モータリゼーションの進展や人口減少の影響などにより、2022年度は67%減の263人まで減少している。
同区間の22年度の運輸収入は1700万円、営業費用は4億8000万円で、100円を稼ぐのに必要な費用の額を示す営業係数は2759円、収支率は3・6%と厳しい経営状況となっている。
このような状況を踏まえ、同支社は「鉄道の特性である大量輸送のメリットが発揮できていない」と判断。沿線地域の公共交通を持続可能なものとし、同区間の沿線地域の発展に貢献していくために、利用者の利便性が向上する交通体系の在り方を総合的な観点から検討するとともに、同社グループの強みを生かして、観光や生活ソリューション事業、Suica、MaaS(マース)関連の事業などにより、沿線地域の発展にも引き続き貢献していく考え。
同様の協議の申し入れは、同社では昨年3月に発表した久留里線に続き2例目となる。
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