JR水戸支社 「GV―E197系」水郡線で砕石輸送を開始へ
効率的メンテ、安全な散布に
JR東日本水戸支社はあす2日から、水郡線で実施している砕石輸送について、在来線の砕石(道床バラスト)輸送や砕石散布作業用の新型電気式気動車「GV―E197形」と新型砕石用貨車「GV―E196形」による編成「GV―E197系」による輸送を開始する。
GV―E197系は、運転台と動力を持つGV―E197形を編成の両端に1両ずつ配置し、砕石を積載するGV―E196形4両を中間に連結する。
最高速度は時速100㌔。気動車方式の採用で電化・非電化区間を問わず走行できるほか、編成の両端に運転台があるため、方向転換時の機関車の付け替え作業も不要となる。また、電車免許のみで運転可能なため担い手の幅も広がる。
GV―E197形は、機関車特有の多くのメンテナンスが必要となる複雑な構造に代わり、最新の電車や気動車と同様の構造を採用。腐食に強いステンレス製を使用するなど、効率的なメンテナンスを可能とした。砕石輸送・散布作業のほか、非電化区間の車両入れ換え作業や回送車両のけん引などにも使用する。
GV―E196形は、現行の砕石用貨車「ホキ800形」に比べて、軌間内への砕石散布がより安全で効率的となり、人力作業の削減効果が期待できる。
水郡線の砕石輸送は、同線西金駅の砕石積み込み場から水戸、千葉両支社管内の各路線(一部を除く)へ輸送、散布している。現在は、DE10形ディーゼル機関車とホキ800形4両または8両を連結し、毎年春から秋にかけて多い時は月に2、3回程度輸送。昨年12月に同駅の設備改良が完了したことを受け、GV―E197系への置き換えが決まった。
西金産の道床砕石は、約2億年前に海底に堆積した砂が熱や圧力の作用などで硬く緻密に固まったもので、摩擦による細粒化(すり減り)に強いという。
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