JR東日本 みどりの窓口でアバターロボットによる案内の実用検証
JR東日本はきょう13日から、山手線・埼京線池袋駅と南武線武蔵溝ノ口駅で、アバターロボットによる指定席券売機への誘導やきっぷの購入方法についての案内の実用検証を行う。同社による移動型AI(人工知能)の実証実験は初めて。
駅係員らが遠隔でアバターロボットを通した誘導・案内を行い、利便性向上を図るとともに、利用者とのコミュニケーションに関する実用性などを検証。実運用に向けた課題の抽出と改善につなげ、将来的な労働力人口の減少を見据えた案内サービスの在り方を検討する。
アバターロボットは、「avatarin(アバターイン)」(東京都中央区)が独自開発した自走式の「newme(ニューミー)」を使用。両駅に各2台を設置し、3月13日までの毎日11~14時にみどりの窓口付近で稼働する予定。利用状況により、改札口付近への設置や稼働しない場合もある。
別の場所にいる駅係員らが、パソコンによる遠隔操作でロボットを巡回させる。ロボット上部に設置した画面には静止画の顔イラストが表示され、みどりの窓口に並ぼうとする利用者へロボットを通じて声を掛け、購入しようとしているきっぷの種類を確認。指定席券売機で購入できるきっぷであれば、券売機のある場所へ誘導する。
券売機画面の操作方法も、対話により案内できるため、操作に不慣れな場合でも希望するきっぷをよりスピーディーに購入できる。
期間中の検証は、①社会受容性(利用状況)②安全性(利用者からの視認性などのリスク)③操作性(駅係員らが操作する際の課題)④施設環境(通信環境、段差、傾斜など周辺の施設環境による影響)――の四つの観点を基に行う。実用検証の結果を踏まえ、駅構内などでアバターロボットを実運用する場合の課題を抽出して改善を進めていく。
同社は、AIやアバター技術を活用した改札案内など、案内業務のDX(デジタルトランスフォ―メーション)化を進めている。今回、これまで空港などで実証実験が行われていたアバターロボットによる案内を鉄道の現場にも導入するため、イノベーション戦略本部が昨年12月ごろから運用に向けた検討を進めていた。
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