特集 JR東日本 新本部長・支社長インタビュー 大森健史 執行役員・盛岡支社長・盛岡支社鉄道事業部長
「気づき」から変革を
地域活性化、地元とともに
「着任後、地域のいろいろな方とお話しする機会をいただく中で、当社に対する期待、注目度の高さを感じた。また、管内には、ほかのエリアの方々にはあまり知られていない良いもの、宝物がたくさんある。新任者である自身の気づきも生かし、地域の魅力を発信、日本中、世界中からお客さまに足を運んでいただけるよう努めていきたい」と抱負を語る。
8月には北東北を代表する夏祭り「盛岡さんさ踊り」(盛岡市)、「青森ねぶた祭」(青森市)などに参加。JR東日本グループ社員が祭りの盛り上げに大きく貢献していることを体感するとともに、地元と連携して地域活性化の取り組みに継続して力を入れていく必要性を実感したという。
10月1日からいわて観光キャンペーン推進協議会と連携し、岩手県全域への誘客促進を図る「いわて秋旅キャンペーン」がスタートする。オープニングとして今月28日に観光列車「ひなび(陽旅)」(団体専用列車)を初めて三陸鉄道の路線で走らせ、三陸復興のアピールにつなげるほか、建立900年の節目を迎えた中尊寺金色堂の詳細な8KCG映像を盛岡駅、一ノ関駅構内で放映する。「改札のそばに98㌅の大きなモニターを置き、目を引く形で放映する。多くの旅行者の方に楽しんでいただきたい」と期待を寄せる。
一方で、地域振興の観点からは、人々が暮らしやすい、ビジネスがしやすい街、環境づくりに貢献することもテーマとなる。この点では「東北新幹線により、首都圏とストレスなく行き来できることが重要。新幹線統括本部と連携し、安定した輸送を提供したい」と力を込めた。
大雨による災害で不通となっている津軽線蟹田―三厩間については、今年5月に沿線自治体やJRでつくる協議会において他交通モードに転換する方向でまとまっている。「既存の町営バス、当社が運行している代行バスや、わんタク(乗合タクシー)などの融合により、間違いなくこれまでよりも便利な公共交通体系を実現できる。地域の関係者の方と、その具体的な姿について検討を進めている」と現状を報告する。
社員に向けては「仕事の本質、言い換えれば、仕事の目的、何のためにそれを行っているのかを常に意識して日々取り組んでほしい。業務、作業の目的を意識することで、気づきが生まれる。人ならではの気づきを生かし、安全のレベルアップをはじめ、さまざまな変革を進めてほしい」と呼び掛けた。(秋元 尚浩記者)
◇大森 健史(おおもり・たけし)氏略歴 1991年4月JR東日本入社。千葉支社運輸部長、国際事業本部部長、執行役員・鉄道事業本部安全企画部門長などを経て今年6月から現職。神戸市出身。56歳。
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