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JR東日本 24年度連結設備投資計画 連結で8190億円 安全レベル向上と収益力向上に積極投資

2024.05.07
大井町エリアのにぎわいと回遊性向上を目指す「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」の完成イメージ(JR東日本提供)

 JR東日本は4月30日、2024年度の連結設備投資計画を発表した。本年度を「新しい未来とネットワークを拓く年」と位置付け、安全・安定輸送のレベルアップに貢献する投資を進めるとともに、「鉄道と融合したまちづくり」や輸送サービスの拡充といった収益力の向上につながるプロジェクトへ積極的に投資。脱炭素社会の実現をはじめとした社会的課題の解決やステークホルダーへの貢献、最新技術を活用した業務変革など中長期的な企業価値向上につながる投資を進める。設備投資額(連結)は過去最高の8190億円(前年度実績比約1053億円増)。

 「究極の安全」を追求した安全レベルの向上や、モビリティーと生活ソリューションのビジネスの強みを磨き上げ、中長期でキャッシュフローを最大化する「変革のスピードアップ」に取り組む。

 連結投資額の内訳は、モビリティーが4240億円(約126億円減)で、このうち大規模地震対策に約300億~350億円を充てる。生活ソリューションは3950億円(約1180億円増)。

 モビリティー関係は、安全・安定輸送のレベルアップのため、大規模地震や踏切事故の対策、運転保安装置の整備拡大などの安全対策を着実に推進。ホームドアは京浜東北線鶯谷、常磐緩行線松戸、総武緩行線新小岩、南武線武蔵溝ノ口の各駅などに整備する。事業用車両の増備や変電所、電車線設備などの鉄道設備更新を計画的に行い、安全性向上とオペレーションの効率化を目指す。

 輸送サービス拡充のうち、新幹線関係は福島駅で山形新幹線上り線から東北新幹線上り線に立体交差で接続するアプローチ線の増設工事を推進。東北新幹線盛岡―新青森間ではスピードアップに向けた工事を継続する。

 在来線関係は、中央快速線などへのグリーン車の車両新造と関連の地上工事を推進。東京駅や宇都宮線、高崎線、常磐線方面から羽田空港へのダイレクトアクセスを果たす「羽田空港アクセス線(仮称)」の工事も進める。

 まちづくり関係では、東京エリアで「TAKANAWA GATEWAY CITY」の25年3月下旬のまちびらきに向けた整備を進めるほか、「大井町駅周辺広町地区開発(仮称)」や、同開発エリアと京浜東北線大井町駅を直結する改札口の新設工事、新宿駅西南口地区開発、渋谷駅などの駅改良やバリアフリー設備の整備などを継続。イマーシブなメディア空間として秋葉原駅に「AKIBA〝CAP〟(アキバキャップ)」、新宿駅に「新宿BBB(スリービー)」を開業した。

 地方都市では、新潟駅の商業施設「CoCoLo新潟」、青森駅東口旧駅舎跡地を活用した新駅ビル「JR青森駅東口ビル」をそれぞれ4月に開業している。

 シームレス・ストレスフリーな移動の実現関連では、地域・観光型MaaS(マース)プラットフォーム「Tabi―CONNECT」の機能強化とMaaSの利用エリア拡大などを図る。

 新技術では、QRコードを利用した乗車サービスを24年度下期から順次開始。25年春以降は、長野エリアを対象にSuicaの利用可能駅を拡大する。また、新幹線線路設備モニタリング車の導入などで、より効率的なメンテナンス体制の構築を図る。

 脱炭素社会への貢献では、「エコステ」の整備や照明設備のLED化など二酸化炭素(CO2)排出量削減につながる設備投資を進めるほか、川崎発電所で水素混焼発電の実現に取り組む。

 このほか、社員の柔軟な働き方に沿った魅力ある職場づくりを推進。JR東京総合病院の建て替え工事では、人間ドックセンターなどが入る「e棟」を4月に開業したほか、新病棟(入院棟)も25年春の開業に向けて工事を進める。

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