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JR東日本環境アクセス 自律走行ホームドア洗浄ロボット「ホームドア・ウオッシャー」を実用化

2023.11.17
上野駅で試験運用を行っている「ホームドア・ウォッシャー」(JR東日本環境アクセス提供)

 JR東日本環境アクセス(JEA)は、洗車機などの開発・製造を手掛ける「タケウチビユーテー」(名古屋市港区)と共同で、自律走行ホームドア洗浄ロボット「ホームドア・ウォッシャー」を開発し、販売を開始した。洗浄作業は作業員1人で対応できることから、ホームドアの清掃作業を人手からロボットへ置き換えることで効率化を図り、大幅な省人化・省力化を実現する。

 ホームドアの清掃は、作業員の手で延長約200㍍のドア上部を毎日拭き上げて行っている。また、ホーム側の壁面は月に1、2回、2~4人の手で清掃。線路側の壁面は数年に1回の夜間作業で、約40人態勢で1晩に2線分を念入りに清掃している。

 今回開発したホームドア・ウォッシャーは、ホーム側の壁面洗浄に活用するもの。作業員が本体の有線リモコンを使い、ホームドアの洗浄開始位置へセットし、本体のタッチパネルで「洗浄モード」を選択。スタートボタンをタッチすると、自走しながらホームドアのホーム側壁面の洗浄が始まる。音声ガイダンス機能による誘導も行う。

 本体に設置された2カ所のバー状の緊急停止装置と、接触防止センサにより、障害物や人との接触を未然に防止。各センサが安全を検知しながら自動洗浄を行い、万一、ホームドアが開いていれば自動停止する。本体中央部には非常停止ボタンも備える。洗浄を停止したい位置に「停止位置看板」を設置しておくと、センサが看板を認識して自動停止する。

 約200㍍のホームドアの場合、3段階ある洗浄速度に応じて所要時間は21~35分、使用水量は86~144㍑。洗浄機本体は高さ150㌢×幅140㌢×奥行き85㌢(洗浄時106・5㌢)、重さ255㌔。連結式の水タンクユニットの容量は200㍑で、充電器は別置式。長距離を移動させる場合は、専用ハンドルの操作で本体を浮かせて手動で移動できる。

 両社は2019年春ごろから、自律走行ホームドア洗浄ロボットの開発に向けた協議を開始。昨年5月の試作機完成後、日暮里駅などで試験を行った。今年3月にはモニター機が完成し、上野駅で6月から来年3月にかけて月2回程度の試験運用を実施中。

 定価600万円(税別)。今後は、ホームドアの線路側壁面を含む両面同時の洗浄機能についても開発する予定となっている。

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