JR東日本・東京大学 「100年間の産学協創協定」締結
「未来のくらしづくり」追求 高輪ゲートウェイにキャンパス
JR東日本と東京大学(東京都文京区)は25日、「100年間の産学協創協定」を締結した。「人・街・地球」の全てがバランスよく良好に保たれるようなくらしづくりを目指す「プラネタリーヘルス」創出が目的。協創プロジェクトを立ち上げ、2024年度末にまちびらきを迎える「TAKANAWA GATEWAY CITY」に日本初のプラネタリーヘルスをテーマにしたキャンパスを開設、25年秋の稼働を目指す。JR東日本グループの駅・鉄道といったインフラを実験場として、東京大学の多様で先端的な知を実証し、未来のくらしづくりに取り組んでいく。
同シティは「100年先の心豊かなくらしのための実験場」をビジョンに掲げ、多様なパートナーと共に日本各地や世界各国の社会課題解決に資するイノベーション創出を目指している。
今回の協創プロジェクト「Planetary Health Design Laboratory」(PHDラボ)では、同シティを実験場に、街のデータ基盤を活用したフードロス削減や快眠サービスなど、JR東日本グループのアセットを活用した実験、東京大学の先端研究のくらしへの実装を図る。
PHDラボの拠点として、同シティ複合棟Ⅰ South9階に新キャンパス「東京大学 GATEWAY Campus」を開設。ラウンジなどがあるコラボレーションエリアと、実験設備のあるラボエリアからなり、東大の多様な研究室が集う学際的な場として、さまざまな企業・アクセラレーターとの協創を生み出す。
同シティを実験場とする未来のくらし創出では、街のデータ基盤(都市OS)を活用した新たなスマートシティの在り方を創出する「『人にも地球にもスマートな街』×情報学・都市設計」、世界一豊かで先端的な都市型緑化を目指す「『世界一グリーンな街』×農学・環境学」、未来の食の浸透に取り組む「『サステナブルな未来の食を試せる街』×生物工学・工学」、住宅棟の住民向けに最先端の睡眠アルゴリズムを採り入れた快眠につながるサービスを提供する「『人と地球にウェルビーイングな街』×医学・先端科学」などに取り組む。
協創から生まれた「知」は、同シティ利用者との接点から得られるフィードバックやデータ分析により、実用化に向けて磨き上げる。街での実験によって効果が実証されたサービスを、両者のネットワークにより日本各地・世界に広げ、心豊かなくらしづくりの実現を目指す。
同日は、同大学安田講堂で調印式が行われ、深澤祐二社長と藤井輝夫総長が協定書に調印した。
深澤社長は「約150年の歴史を持つ両者が、次の100年先の未来につながる心豊かなくらしづくりに取り組んでいく。われわれの持つデータを活用し、東京大学の多様な研究と結び合わせることによって、より大きな成果が生まれると思っている」、藤井総長は「100年間という長いスパンで人・街・地球をどのようにしていくか考えていく。やりがいとともに責任、期待を感じている」と述べた。
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