駅×郵便局 しなの鉄道でも 大屋駅に26日開設
三セク鉄道で初コラボ 地域の顔 にぎわい創出へ
長野県の第三セクター鉄道・しなの鉄道は26日、しなの鉄道線大屋駅(長野県上田市)を郵便局と一体型の駅施設にリニューアルし、各種窓口営業を開始する。老朽化が進む無人駅を有効活用するもので、駅近くの幹線通り沿いにある大屋郵便局を北東方向に約180㍍移転させる。同様の取り組みはJR東日本管内の一部駅で見られるが、自治体などが運営するローカル鉄道会社との〝コラボレーション〟は初めて。
しなの鉄道と日本郵便信越支社では2023年3月3日、地域を巻き込んだ連携事業に取り組み、サービスを維持・向上させることで、長野県のにぎわい創出に寄与していくことを目的とした包括連携協定を締結。1896年(明治29年)開業、無人駅扱いの大屋駅について、昨年7月6日から新しい駅舎に建て替える工事を進めていた。郵便局は移転後に「大屋駅郵便局」に名称変更する。
取り扱い業務は、郵便局業務が郵便・荷物サービス(郵便・印紙・ゆうパック)、貯金サービス(貯金・為替・振替など)、保険サービス(生命保険・バイク自賠責保険・がん保険など)、物販サービス(カタログ販売・店頭販売など)。駅業務が特別企画乗車券などの販売、しなの鉄道に関する照会窓口(インターホン・電話番号)の案内など。
営業時間は郵便・物販が9~17時、貯金・保険が9~16時で平日のみ。ATMは平日8~18時、土曜日・休日9~17時。駅業務は9~16時で平日のみ(12月31日~1月3日除く)。
移転・新装を記念して同郵便局では、風景入日付印の押印サービス、しなの鉄道の観光列車「ろくもん」をデザインしたオリジナルの小型記念日付印の押印サービスを行う。
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しなの鉄道の2022年度輸送人員は1210万人で前年度比106.0%となったが、コロナ禍前水準の1404万人までには回復していない。最終損失は3292万円から2847万円に改善したが、働くスタイルの変化、少子化などを背景に厳しい経営状況が続いている。
同社では、駅に〝地域の顔〟ともなる郵便局機能を盛り込むことで、周辺住民に駅を訪れるきっかけとしたい考え。駅の利便性向上に伴う鉄道利用の促進にもつなげていく。
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