JR東日本など ドローンによる医療物資輸送の実証 14日から 都内でのレベル4飛行によるドローン物流サービスの早期の社会実装を目指す
JR東日本と日本航空、KDDI、KDDIスマートドローン、ウェザーニューズ、メディセオの6社は8日、東京都檜原村内で14~20日にドローンによる医薬品輸送の実証を行うと発表した。医薬品をドローンのレベル4飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)で輸送するもので、ドローンのレベル4飛行による医薬品輸送は日本初という。実運用に向けた技術面や制度面、運用面の課題を抽出し、都内でのレベル4飛行によるドローン物流サービスの早期の社会実装を目指す。
無人航空機の飛行は、昨年12月に無人航空機の「レベル4飛行」を可能とする改正航空法が施行されたことを受け、レベル1(目視内での操縦飛行)、レベル2(目視内での自律飛行)、レベル3(無人地帯での目視外飛行)に加え、レベル4が解禁された。
物流分野では近年、人手不足が社会的な課題になっている。医薬品の輸送は遅延が致命的になる場合があり、ドローンによる輸送サービスが実現すると、道路の渋滞時や災害時でも交通状況に左右されずに医薬品を輸送することが可能になる。
今回の実証は、東京都の「ドローン物流サービスの社会実装促進に係る実証プロジェクト」に基づくもので、日中帯(11時ごろ~16時ごろ)に1日最大3往復飛行する予定。実施日程や飛行時刻は、作業準備状況や当日の天候の状況を勘案して決定する。
飛行ルートは、同村内の檜原診療所―特別養護老人ホーム桧原サナホーム間(往復約4・8㌔)で、途中に有人地帯の上空を含む。ACSL社製の物流用ドローン「PF2―CAT3」(全長1174㍉×1068㍉、高さ601㍉、最高飛行速度毎秒10㍍)の自律飛行で医薬品輸送を行う。
実証を通して、レベル4の飛行許可取得に求められる体制や実運用上の課題抽出、政府による「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」への対応に求められる体制などを検証。恒常的なドローンの飛行に必要な安全運航体制やビジネスモデルの検討を行う。
実証終了後、本年度中にドローンが自動で離着陸できるドローンポートを導入し、安全性や運航業務の省人化の検証など、ドローン物流サービスの実装に向けてさらなる実証を行う予定。2024年度には都心部での長期的な実証を計画している。
将来的には、ドローンを活用したまちづくりの実現に向けて、物流をはじめとする多様なサービスの展開を目指す。
各社の役割分担は、JR東日本はドローン物流ビジネスの将来的な実装場所にかかる検討支援、日本航空はドローン物流ビジネスの策定と評価検証、KDDIはプロジェクト全体の取りまとめ、KDDIスマートドローンはスマートドローンプラットフォームの提供と機体運航、ウェザーニューズは安全運航に必要な気象データの提供と助言、メディセオはドローンを利用した医薬品配送手順の策定と検証。
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