墨滴 3月19日付
鉄道事業者と金融機関。事業の関連性は薄そうなイメージだが、地域活性化という目的は共通している。JR東日本水戸支社と茨城県信用組合がそれぞれの強みを掛け合わせ、同県内事業者の価値向上を図る地域活性化連携協定の取り組みが深度化している▼同協定は2022年3月に締結。地域に根を張る同組合の取引先事業者をJR東日本グループの販路やプロモーションに乗せ、新たな販路開拓を図る。目覚ましい成果を上げた事業者には「地域事業支援アワード」が贈られる▼2回目となった23年度の同アワードには、同社グループ会社との取引成立などで干し芋の認知度向上や、プライベートブランド商品への採用などを果たした2社が選ばれた。前年度と異なるのは同組合の「伴走支援」だ▼地域の金融機関による地元事業者の支援は当然だが、今回、各事業者は同組合の担当者と共に商品を磨き上げ、共に商談会や催事に臨んだ。目的に向けて多くの時間を共有することで一体感が生まれ、販路拡大以外にも補助金や設備投資といった経営課題にも取り組めるだけの関係性に深まった▼一歩進んだ付き合いが事業者をより元気にする。JR東日本グループはグループ経営ビジョン「変革2027」のテーマの一つに「地方を豊かに」を掲げる。寄り添った〝伴走〟のサポートの輪が広がり、より元気な地方が増えればと思う。
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