JR東日本 英国での自販機事業を拡大 現地運営会社の全株式取得
JR東日本は1日、英国で実施していたデジタル自動販売機事業を拡大すると発表した。6月に設立した現地法人を通じて、駅自販機の運営会社の全株式を取得。これまでの50台規模から1000台規模に拡大するとともに、無人店舗などのスマートリテールビジネスを通じて、欧州の交通拠点におけるサービス向上に挑戦する。
同社は英国で、トライアルを経て2022年から50台規模のデジタル自販機事業を本格展開。事業のポテンシャルを確認できたことから、今年6月に英国や欧州他国の事業拠点として現地法人「JRE Business Development UK Limited」(JR東日本英国事業開発、UKBD)を設立。7月に同社を通じて、英国の駅で自販機を展開する「Decorum Vending Limited」(デコラム社)の全株式を取得した。
これにより、デコラム社の事業基盤とJR東日本グループの生活ソリューション事業のノウハウを掛け合わせ、英国の駅を中心とする交通拠点での自販機の設置台数を1000台規模に拡大する。また、顧客ニーズに合わせたサービスを提供する。
UKBDは資本金1910万㍀。JR東日本100%出資。JR東日本の名川進国際事業本部ロンドン事務所長が非常勤で社長を兼務する。
デコラム社は英国の鉄道運行会社の約9割から自販機運営権を獲得。遠隔での在庫管理システムや、AI(人工知能)によるオペレーターの補充ルート構築機能を活用した運営体制、環境に配慮した自販機サービスを構築し、自販機を活用した広告やプロモーションビジネスなどの事業も展開している。
今後は、英国の駅を中心とする交通拠点での自販機ビジネスを手始めに、AIを活用したデータ分析、スマートな決済手段、省人化によるオペレーションを実現する技術などを活用したスマートリテールビジネスを展開。顧客ニーズにマッチした商品を提供し、サービス向上と収益の拡大を目指す。
さらに、英国でのこれらのサービスをビジネスモデルとしてパッケージ化。JR東日本のグローバルなネットワークを活用し、欧州各国の市場を踏まえた参入を検討する。
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