JR東日本 「ON1000」リニューアル 柔軟な事業化形態・起案者へのインセンティブ拡充
JR東日本は、社内公募制の新事業創造プログラム「ON1000(オンセン)」について、社会課題解決への貢献や社会へ価値を提供する新規事業の立ち上げの加速を目指してリニューアルする。新会社設立を前提とした事業推進など、事業化形態の選択肢を明確化するとともに、起案者へのストックオプションなどインセンティブも拡充。社会の変革を望む起業家気質を持った社員が、より本気かつ自由に挑戦できる制度を目指す。今月17日から新事業のエントリーを開始している。
ON1000は、新事業の発掘と事業化を目指し、社員による事業提案制度として2018年度に発足。同社グループの全社員約6万8000人が対象で、これまでに累計4600件の応募があり、このうち19件が事業化検証された。
事業化検証を経て7件がサービス開始に至り、現在はベビーカーレンタルサービス「ベビカル」(21年4月サービス開始)、小学生の親子向けおしごと体験学習「ことむすび」(昨年3月サービス開始)、ワーキングマザー向けキャリア形成支援サービス「PeerCross」(今年1月本サービス開始)、店舗や従業員に感謝や応援のメッセージとチップを届ける「TipSmile」(6月本サービス開始)、アーティストなどの「推し活」を気軽に楽しめるパッケージ型サービス「推しSta!」(同月サービス開始)の5件がサービスを提供している。
リニューアルのコンセプトは「起業家として熱意とやり抜く覚悟を持ち、JR東日本グループから社会に大きな価値をもたらす事業を創出すること」。社会課題の解決と利益創出を両立させることで、同社グループの新たな成長エンジンとなる事業を募る。
事業化に当たり、事業の内容や性質などに合わせて成長しやすい事業化形態を明示。具体的には、社内事業としての推進のほか、新会社の設立と子会社化または上場など、柔軟な事業化形態を示すことで事業の規模や質の拡大を図り、より機動的な事業推進を可能とする。
また、フェーズごとの検証費の付与など費用面のサポートを充実することで活動の自由度を確保。起案者自身が事業化後に新会社の役員や社員となった場合は、出資やストックオプション、自ら経営者になる権利などを含めたインセンティブの充実を図り、事業にコミットしやすい環境を整える。
リニューアル後のプログラムでは、エントリー後の初回の審査後に、新設のインプットプログラムで起業家を招いて、新事業立ち上げのポイントなどを解説・アドバイスする。課題検証と2回目の審査を経て、25年度以降に事業化を検証。決定すれば新会社の設立などの上で正式に事業化となる。
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