JR東日本など TAKANAWA GATEWAY CITYのエネルギーマネジメントなどについて発表
地域冷暖房に国内最大級の蓄熱槽
荷物輸送に水素燃料電池トラック
JR東日本とえきまちエナジークリエイト、ジェイアール東日本物流は7月30日、来年3月下旬にまちびらきを控える「TAKANAWA GATEWAY CITY」で推進する、水素・バイオガス・多様な再生可能エネルギーを活用したヒト・街・地球にやさしいまちづくりの取り組みについて発表した。地域冷暖房施設に国内最大級の蓄熱槽を導入し、効率の高いエネルギー供給を実現。物流では同シティ内への荷物輸送にFC(水素燃料電池)トラックを活用した「集約型館内キャリーシステム」を導入する。
同シティは来年3月のまちびらき時から、JR東日本グループが取り組む環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の先導プロジェクトとして、さまざまなサービスで使用するエネルギー全体で二酸化炭素(CO2)排出量「実質ゼロ」を目指す。水素利活用やサーキュラーエコノミー(循環型経済)にも取り組み、まちの活動そのものが地球益につながる未来を志向する。
エネルギーマネジメントでは、「THE LINKPILLAR 2(ザ リンクピラー ツー)」地下の地域冷暖房施設に、国内最大級の蓄熱槽を導入。地下5階から地下3階まで50㍍プール8杯分、2万立方㍍の水を蓄えることができる。これにより、効率の高いエネルギー供給を実現するとともに、災害時は蓄熱槽の水をトイレ用水などの非常用水として使用し、生活者や地域のBCP(事業継続計画)に貢献する。
サーキュラーエコノミーの取り組みでは、「THE LINKPILLAR 1」の中にビルイン型バイオガス設備を設置。食品廃棄物1日約4㌧を再利用し、食品廃棄物の約7割減量を見込むとともに、生成されたガスを燃料としてバイオガスボイラーを使用。同シティ内のホテルの給湯で約10%の熱を賄う。
同日は現地で報道公開が行われ、鈴木孝子えきまちエナジークリエイト社長は、同シティのエネルギーマネジメントについて模型を使って説明し、「未利用エネルギーを最大限有効活用しながら、オフィスで働く人や生活者一体で省エネに取り組み、CO2排出量実質ゼロを目指したい」と述べた。
一方、次世代型物流プラットフォーム「集約型館内キャリーシステム」は、6月に平和島(東京都大田区)の東京流通センター内に整備した外部デポ(小型物流拠点)に、域外からの荷物をいったん集約し、FCトラックが同シティ内の荷さばき所にまとめて配送する。同システムの構築により、配送の合理化や車両流入台数削減による周辺渋滞緩和、CO2排出削減など、環境に配慮したまちづくりに貢献していく。
外部デポやFCトラックの運営はジェイアール東日本物流が担う。同社初となるFCトラックは、3㌧トラック2台を導入。同シティ内にはENEOS東京高輪ゲートウェイ水素ステーションが設置される。
野口忍ジェイアール東日本物流社長は「納品のトラックは1日当たり1000台程度減らせると想定している。TAKANAWA GATEWAY CITYの進化をサポートしていきたい」と期待を寄せた。
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