JR盛岡支社 「ひなび」に花巻市の伝統工芸品設置
JR東日本盛岡支社はあす15日から、東北線盛岡-釜石線釜石間を走る観光列車「ひなび(陽旅)」の車内に、岩手県花巻市の伝統工芸品「さき織」と「花巻傘」を設置する。7月28日まで(運転日は週末を中心とした計11日間)。
同列車内に釜石線沿線の伝統工芸品を装飾する取り組みの第2弾。さき織は、使い古した布を細く裂いてひも状にし、横糸として織り込み、新たな布として蘇らせる技法。
南部藩時代、寒冷な東北地方では衣服の原材料である木綿の栽培が難しかったため、ものを大切に使う農村地域の女性たちの知恵から生み出された。現代では、コースター、ランチョンマットなどの敷物のほか、タペストリー、バッグなどの装飾品も製作され、芸術性を高めている。
花巻傘は、成島和紙などとともに同市の無形文化財に指定されている傘で、約220年前に肥後熊本の武士・千葉左近が作ったのが始まりといわれる。
明治時代初めから昭和30年代前半まで花巻の主要産業として栄えたが、現在製作しているのは滝田工芸のみ。3代目の滝田信夫氏が76に及ぶ傘作りの工程を一人で担う。今回は、色鮮やかな京染を施した成島和紙を使ってミニチュアや壁掛けに仕上げた。
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