JR東日本 東北・上越・北陸新幹線の停電 緊急点検を実施
JR東日本は24日、東北・上越・北陸新幹線上野―大宮間で23日に発生した停電について、推定原因などを発表した。架線の張力調整を行う「自動張力調整装置」(WTB)の鉄製の重りである重錘(じゅうすい)ロッドが破断したため架線が垂下。垂下した架線の下を「かがやき504号」(金沢発東京行き、乗車人員359人)が通過したことで、パンタグラフと架線 金具が損傷したと推定されるとした。重錘ロッドの破断原因は、今後、専門機関の協力なども得ながら分析を行う。
停電は23日9時58分ごろ、上野―大宮間の上り線(埼京線北与野駅付近)で発生。この影響で東北新幹線東京―仙台間と上越・北陸新幹線同―高崎間は終日運転を見合わせた。同社は送電設備の仮復旧作業や上野―大宮間で停止した北陸新幹線車両の収容を24日4時37分に終了。同日始発から全線で運転を再開した。
破断が発生した箇所は、滑車の下に約1・3㌧の重錘を配し、この重さで架線の張力を自動で調整している。重錘を固定する直径22㍉の鉄棒部分が何らかの原因で破断し、重錘が落下したことで架線の張力がなくなり、約150㍍にわたり架線が垂れ下がった。
一部変形が残った箇所の架線張り替えについては、25日早朝までに実施。また、管内の新幹線全線(新幹線車両センターを含む)で同種設備のある約500カ所で、今月31日までに緊急点検を行う。重錘ロッドのひび割れの有無について、至近距離から目視で点検する。
垂下した重錘ロッドは、上野―大 宮間延伸開業時の1985年に設置。昨年6月と10月に実施した点 検時には、異常は確 認されていない。
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