いすみ鉄道 「い鉄甲子園」を開催 高校生らが鉄道活性化策
柔軟な発想、斬新なアイデア
千葉県の第三セクター鉄道・いすみ鉄道は8月23日、国吉駅2階のいすみ市商工会館でコンテストイベント「い鉄甲子園」を開催した。鉄道研究部がある千葉県内の高校や鉄道の専門教育を行っている東京都内の高校の生徒らが、鉄道を活用した地域活性化や集客策について発表した。
同社は2021年から、鉄道を将来にわたって残していくためのアイデアを高校生から募るとともに、公共交通の現状について関心を深めてもらおうと毎年コンテストを実施。前回大会で昭和鉄道高校(東京都豊島区)の生徒が提案した、エンジン音や走行音を楽しむ企画は、今年7月に貸切列車「音鉄」として実現している。
今回は、対象エリアを同社沿線だけでなく房総半島全体に拡大し、小湊鐵道とJR東日本千葉支社茂原統括センター、木更津統括センターが協力。古竹孝一いすみ鉄道社長、石川卓生小湊鐵道副社長、小口宗昭茂原統括センター副所長・勝浦駅長、小倉香織木更津統括センター副所長・五井駅長と、国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校(千葉市)の古川博文校長が審査員を務めた。
コンテストには4校5チームが参加。JR東日本の団体専用サイクルトレイン「B.B.BASE」を活用したいすみ鉄道、小湊鐵道沿線のサイクリングツアー、JR東日本の列車荷物輸送サービス「はこビュン」といすみ、小湊の連携による首都圏での房総半島産農産物の販売など、柔軟な発想に基づくさまざまな発表があった。
終了後、古竹社長は「房総半島の地域特性を反映した企画や公共交通を活用したコンテンツなど、すぐにでも実現したいと思わせる斬新なアイデアが多く、鉄道の未来について真剣に考えてくれた生徒の皆さんを頼もしく感じた。対象エリアの拡大を来年以降も継続し、千葉県全体に元気をもたらしたい」と感想を話していた。
審査結果は次の通り。
最優秀賞=芝浦工業大学柏中学高校鉄道研究部「クルーズ紀行房総」▽JR東日本賞=岩倉高校鉄道研究部「3社合同撮影会」▽小湊鐵道賞=昭和鉄道高校鉄道研究部「はこビュン房総私鉄連携」▽いすみ鉄道賞=秀明八千代高校鉄道模型部「地域を巻き込んだスタンプラリー」▽国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校賞=昭和鉄道高校鉄道研究部「房総サイクリングツアー」
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