ジェイアール東日本企画 成長続ける「ベビカル」
子育て世帯、外出時に便利 北海道から沖縄まで拡大
ジェイアール東日本企画(jeki)が運営するベビーカーレンタルサービス「ベビカル」が、子育て世帯の外出時に便利なサービスとして成長を続けている。外出先でベビーカーを持ち出し場所の制限なく利用できるもので、JR東日本グループ全社員を対象とした新事業創造プログラム「ON1000(オンセン)」で同社社員のアイデアを採択。2021年4月からサービスを開始した。現在、貸出場所は北海道から沖縄県まで全国229カ所(10日現在)まで拡大し、利用件数も増加している。
ベビカルは、jekiの森祐介さん(現・同社jeki―X部長、現在もベビカル事業を担当)が提案し、事業化が決定してスタートした。運営は、JR東日本とjekiの共同出資で設立したJREベビーカーシェアリング有限責任事業組合(LLP)によって行われてきたが、今年4月にjekiに移管された。
気軽に外出を
サービスのベースには、「目的地の最寄りの場所でベビーカーを借りて、返すことができたら、子育て世帯の方たちがもっと気軽に外出できるようになるのではないか」(森さん)という考え方がある。
鉄道、バスなどの公共交通機関を利用する場合は、目的地へのアクセスが便利だったとしても、混雑によってベビーカーが利用しづらい状況が発生し得る。また、目的地の商業施設やレジャースポットでベビーカーを借りられる場合でも、利用できるのは施設内に限られることが多い。
そうした中、ベビカルは、公共交通機関はベビーカーなしで移動し、目的地の最寄り駅やバス停で下車した後、ベビーカーを借り、場所の制限を受けず利用できるものとなっている。
もちろん、自宅の最寄りでベビーカーを借りて、鉄道で出掛けるという使い方も可能。最大で7日間借りられるため、旅行にも対応する。ウェブサイトで14日前から予約でき、安心してスムーズに利用できるのもセールスポイントだ。
お手軽な料金
料金は、最初の1時間が250円、以降30分ごとに100円。12時間最大1500円(日をまたぐ場合、0~8時は課金されない)を基本としており、手軽に利用できる水準にあるといえる。
サービスは、首都圏主要駅を中心とする貸出場所18カ所でスタートしたが、東日本エリア外でも貸出場所を増やしつつ、22年10月に100カ所、今年4月に200カ所を達成。事業スキームは加盟店方式で、ジャンルはJR、私鉄の駅、商業施設、観光案内所、ホテル受付から、コンビニエンスストア、カフェ、ガソリンスタンドなどまで幅広くなっている。
形態としては、店舗係員などが利用者に対応する有人の貸出場所が175カ所と大部分を占めるが、首都圏の主要駅など一部では無人機(46カ所)による貸し出しも行われている。ここ数カ月の利用件数は、対前年同月比120%で推移。平均利用時間は10時間前後。
訪日客も利用
さらに、訪日客の利用も多く、総売り上げのうち、約2割を占めているのも特筆される。この背景には、LCC(格安航空会社)の航空機にベビーカーを持ち込みにくい事情などがあり、来日後にベビカルを利用し、小さな子どもとの旅行を楽しんでいるとみられる。
サービス面では、北海道内のガソリンスタンドなど6カ所と、JR西日本レンタカー&リースが運営する「駅レンタカー岡山営業所」で7月下旬から、新たにチャイルドシートの取り扱いを開始した。カーシェアサービスにチャイルドシートのサービスがない場合などを踏まえた施策で、既に一定の利用があるという。
なお、ベビカル加盟店とjekiとの関係については、加盟店側は店舗係員らによるベビーカーの貸し出し・返却の窓口対応、ベビーカーの保管・点検・清掃などを実施。同社は売り上げに対して歩合を支払う。加盟店側に初期費用、ランニングコストは発生しない。
高い潜在需要
貸出箇所(加盟店)数は順調に増えているが、「潜在的なニーズや、子育て世帯が気軽に外出できる社会の実現というテーマを考えれば、まだ全然足りない。引き続き、地道な営業努力を重ねるとともに、加盟店と一緒になったキャンペーン施策なども行い、ベビカルのさらなる周知につなげて事業拡大を図っていきたい」(森さん)としている。
検索キーワード:JR東日本
3,626件見つかりました。
3461〜3480件を表示
-
2023.10.31 JR共通(グループ) スポーツ
全JRバドミントン大会 JR北海道8年連続V
全JRバドミントン連盟が主催する「第33回全JRバドミントン大会」が26、27日、静岡県浜松市の浜松アリーナで開かれ、1部ではJR北海道が8大会連続32回目の
-
2023.10.31 JR東日本 予定・計画・施策
JR八王子支社 「旅run×鉄道」第5弾 身延町エリア新設
JR東日本八王子支社はあす11月1日から30日まで、山梨県内でランニングを楽しむイベント「旅run×鉄道」の第5弾を実施する。
-
2023.10.30 JR東日本グループ 人事異動・組織変更
JR東日本テクノサービス 「運転検修センター」を新設
JR東日本テクノサービス(J―TEC、仙台市)は1日付で新幹線営業所の組織改正を実施し、車両の検査・修繕部門と構内入れ換え運転部門を融合した「運転検修センター
-
-
2023.10.30 JR東日本 予定・計画・施策
JR八王子支社 三鷹こ線人道橋の撤去工事に着手へ 12月ごろから
JR東日本八王子支社は12月ごろから、老朽化が進んでいる「三鷹こ線人道橋」(中央線三鷹―武蔵境間)の撤去工事に着手する。
-
2023.10.30 JR東日本 予定・計画・施策
JR横浜支社 11月から三浦半島版「駅からサイクリング」
JR東日本横浜支社は11月1日から、三浦半島の観光スポットを駅から自転車で巡りデジタル型スタンプを集めるイベント「駅からサイクリング」をスタートする。
-
2023.10.30 JR東日本 予定・計画・施策
JR大宮支社 11月から「川越線御朱印めぐり」
JR東日本大宮支社は11月1日から、大宮と川越の神社を巡る「川越線御朱印めぐり」を開催する。今年3月に続くもので、対象神社を拡大。
-
2023.10.30 JR共通(グループ) 予定・計画・施策
JRグループ音楽連盟 第6回演奏会 11月18日、宮城県多賀城市で
JRグループ音楽連盟(会長・丹羽俊介JR東海社長)は11月18日、宮城県多賀城市の多賀城市文化センター大ホールで「第6回定期演奏会」を開催する。
-
2023.10.30 JR東日本 予定・計画・施策
JR秋田支社 弘前駅でリンゴに関する展示
JR東日本秋田支社弘前統括センターの組織横断プロジェクト「津軽つながるプロジェクト」と青森県弘前市は21日から、奥羽線弘前駅2階の津軽ラウンジで、リンゴに関す
-
2023.10.30 民鉄・公営・三セク 予定・計画・施策
西武ホールディングスなど 秩父エリアで電動小型モビリティの実証実験
西武ホールディングスと西武鉄道は11月1日から、埼玉県秩父エリアで電動小型モビリティのシェアリングサービス「LUUP」を活用した実証実験を行う。
-
2023.10.30 JR東日本 営業・事業・車両
JR横浜支社 新宇佐美トンネル探索ツアー
JR東日本横浜支社は12月9日深夜から10日早朝にかけて、伊東線最長の新宇佐美トンネルを探索するナイトウォーキングイベントを開催する。