JR東日本 23年度の駅別乗車人員 回復傾向より鮮明に
首都圏は18年度比約8割
上位100駅のうち99駅で増加
JR東日本が7月に発表した2023年度の駅別乗車人員などを集計したデータでは、上位100駅のうち99駅で乗車人員が前年度を上回り、新幹線も全駅で大きく増加する結果となった。コロナ禍の影響が大きかった20年度と比較して、22年度も多くの駅で増加したが、23年度は新型コロナウイルスの5類移行を受けた旅行需要の回復やインバウンド需要の増加などから回復傾向はより鮮明に。各駅の乗車人員は、新幹線、在来線ともコロナ禍の影響がなかった18年度比で首都圏は8割、管内全体で見ると9割程度まで回復している。
■駅別乗車人員
発表したのは、駅別乗車人員、新幹線駅別乗車人員、BRT(バス高速輸送システム)駅別乗車人員、路線別利用状況(平均通過人員、旅客運輸収入、平均通過人員推移グラフ)の各集計データ。詳細は同社ホームページで公開している。
上位10駅の1日平均乗車人員は、①新宿65万602人(前年度比8・0%増)②池袋48万9933人(6・8%増)③東京40万3831人(16・5%増)④横浜36万2348人(6・4%増)⑤渋谷31万4059人(7・3%増)⑥品川27万4221人(10・3%増)⑦大宮24万4393人(8・0%増)⑧新橋21万9113人(13・4%増)⑨秋葉原21万1998人(11・3%増)⑩北千住19万3748人(5・4%増)。ランキングに変動はなかった。
上位100駅で見ると、最も増加幅が大きかったのは京葉線舞浜(50位、7万6156人)の19・2%増。同駅は22年度(58位、6万3906人)も36・5%増と最も増加幅が大きく、東京ディズニーリゾートの来場者数増加が駅利用者の増加につながったとみられる。
このほか、山手線大崎(15位、13万4526人)の13・5%増、京浜東北・山手線浜松町(16位、12万6667人)の12・2%増、仙台(37位、8万9462人)の13・1%増など、通勤や出張の人流回復などを背景に利用者が大きく伸びたようだ。
東北、信越エリアを中心に乗車人員が100人に満たない駅は、22年度の50駅から41駅に減少。このうち4駅は10人に届かなかった(無人駅を除く)。
■新幹線駅
各新幹線の駅で最も増加率が高かったのは、東北新幹線が新青森の4636人(38・8%増)、上越新幹線が燕三条の1659人(26・0%増)、北陸新幹線が上越妙高の1993人(28・4%増)で、熊谷(8・4%増)、安中榛名(8・9%増)を除く全駅で二桁の伸びを示した。
■路線別利用状況
路線別利用状況のうち、1日1㌔当たりの利用人数を表す平均通過人員(原則1987年度を100とした指数)は、東北、上越、北陸の各新幹線で20年度にそれぞれ45、55、58と過去最低を記録したが、22年度は92、115、128まで戻し、23年度は120、143、158とさらに回復傾向が鮮明になった。18年度の136、160、168に比べると、東北、上越は80%台後半、北陸は90%代前半の水準まで回復した。
在来線も多くの線区で前年度を上回り、18年度比で9割程度となった。
一方、地方交通線では、豪雨被害から運転を再開した五能線が29から36へと大きく増加。運転見合わせが続く米坂線は20から18に微減、津軽線は5で変わらず。沿線の道路トンネル建設関連工事のため、22年5月から運休している陸羽西線(6)は過去最低となった。
■BRT駅
BRTの平均通過人員(13年度を100とした指数)は、大船渡線が前年度の93から104に、気仙沼線が68から77に上昇した。いずれもコロナ禍からの利用回復と推測される。
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