交通新聞社 電子版

墨滴 5月13日付

2024.05.13

 JR中央快速線で本年度末以降のサービス開始を目指し、普通列車グリーン車の導入準備が進んでいる。JR東日本八王子支社は8日未明、東京駅の同線ホームで列車の折り返しシミュレーションを実施した▼同線のE233系全列車(青梅線直通を含む)に2階建てグリーン車2両を増結して12両化するが、運転間隔の短い同線では、終点の東京駅で最短約2分で折り返さなければならず、この短い時間内にグリーン車の清掃整備を完了できるのかが一つのポイントになる▼担当するJR東日本環境アクセスのスタッフは、営業開始時にはグリーン車の1階、2階に各1人、2両で4人、ホームは1面2線のため最大で計8人が配置される。シミュレーションには乗客役の社員ら約200人が参加し、深夜のホームに列車が入線した▼朝ラッシュ時の想定は、降車が約110人、乗車が約60人。上りの乗客役が下車すると、直ちに清掃スタッフが乗り込んで各座席を確認して清掃。座席を自動回転させて降車し、下りの乗客役を迎え入れた。清掃作業に要した時間は約1分▼乗降時間を短縮するために乗降ドアを両開きにした効果もあり、ほぼ想定通りに折り返せることが確認された。東京圏の5方面で唯一グリーン車の連結がない同線だが、各駅の改良工事なども着実に進んでいる。待望の着席サービス開始が待ち遠しい。

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