交通新聞社 電子版

JR東日本 訪日客向け チケッティングサービスの利便性向上

2024.05.10
「Welcome Suica Mobile」のアプリ上の券面デザイン(JR東日本提供)

 入国前にアプリでSuica 今夏から「鉄道パス案内サイト」

 JR東日本の喜㔟陽一社長は8日の定例会見で、今年夏以降に訪日外国人向けチケッティングサービスの利便性を向上させると発表した。今年夏に移動行程などに合わせた鉄道パスを案内する「JR EAST Rail PASS Search」、2025年春にiPhoneのスマートフォン向けアプリ「Welcome Suica Mobile」をリリースし、26年春を目標に成田空港、羽田空港と一部主要駅の指定席券売機でジャパン・レール・パスを受け取れる仕組みを導入する。同アプリでは、窓口や券売機に立ち寄ることなく、入国前のアプリ操作のみでSuicaの発行やチャージができ、入国後スムーズに鉄道をはじめとした交通機関や買い物に利用可能となる。

 今回の取り組みは「インバウンドのお客さまの滞在中の移動をシームレスにしていく」(喜㔟社長)ことを目的としたもので、訪日客のチケットに関する要望や困りごとを踏まえサービス向上を図る。

 同アプリの対象端末はiPhoneとApple Watch。言語は英語。アプリ上の券面デザインは、カードタイプのWelcome Suicaと同様に紅白を基調にして、「桜」で日本地図をかたどり全国で使用できるサービスを表現。背景に「つながり」を意味する「七宝」を描いた上に、良縁、魔よけなどを意味する複数の和柄を金色で華やかに描くことで、日本滞在中の安全と人や文化と良き出会いがあるようにという願いを込めた。

 サービスは、iPhoneにアプリをダウンロードし、Suicaを発行して利用する。券売機、窓口へ行く必要がないほか、チャージもApple Payに設定したクレジットカードでどこでも可能。同社の新幹線の自由席は、Suicaで改札機にタッチするだけの「タッチでGo!新幹線」で利用できる。東日本エリアの観光、運行情報も便利に取得できるようにする。

 利用可能期間は、カードタイプのWelcome Suicaは利用開始日から28日間であるのに対し、アプリは発行日から180日間と長く、何度も来日する人などにとって使いやすいものとなる。

 また、第2ステップとして26年春を目標に、同アプリと訪日客向けのウェブサイト「JR-EAST Train Reservation」を連携し、同社の新幹線や在来線の指定席も入国前に購入してチケットレスで利用できるよう開発を進めている。

 一方、「JR EAST Rail PASS Search」は、同社の多言語ウェブサイトから移動の日程や目的地を入力することで、行程などに合わせた鉄道パスを案内。現在別々の操作となっている「調べる(検索する)」と「購入する」を一連の流れで行えるようにする。きっぷを購入する場合との金額比較も可能になる。

 ジャパン・レール・パスについては、「JR EAST Travel Service Center」などの窓口で利用資格を確認した上で受け取ってもらっているが、この利便性向上を図るため、成田空港、羽田空港、東京都区内の一部主要駅の指定席券売機で同パスの資格情報を自動判別の上、発券できる仕組みを導入する予定。具体的には、画像認識技術によりパスポート・入国証印を確認し、パスや指定席券を自動発券する新システムの導入を目指している。

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