交通新聞社 電子版

JR東日本 「TAKANAWA GATEWAY CITY」を拠点「広域スタートアップエコシステム」構築

2024.03.07
「TAKANAWA GATEWAY CITY」を構成する施設のイメージ(JR東日本提供)

 100社以上のビジネス創造サポート

 JR東日本の深澤祐二社長は5日の定例会見で、2025年3月下旬にまちびらきを控える「TAKANAWA GATEWAY CITY」を拠点とした「広域スタートアップエコシステム」の構築に取り組むと発表した。来街者約10万人を対象に、環境・モビリティ・ヘルスケアを重点テーマに新たなソリューションを生み出し、社会実装するための日本最大規模の実験場として、100社以上のスタートアップによるビジネスの創造をサポートする。また、施設開発の進捗(しんちょく)に伴い、各棟の名称を「THE LINKPILLAR(ザ リンクピラー)」などに決定した。

 同システムは、スタートアップをサポートする多様な人材や支援制度が相互に関連しながら活動することで、継続的にスタートアップが生まれ成長し続ける仕組み。世界中の社会課題に対して、多様で先端的な知とのコラボレーションの機会や、鉄道データを含む街のデータ基盤(都市OS)による分析、多様な資金サポートの提供により、ソリューションを生み出し、育て、社会実装までサポートする。

 具体的には、東京大学、シンガポール国立大学(NUS)、博報堂、リバネス、ジェイアール東日本企画などを運営パートナーに迎え、国内外の100社以上のスタートアップを支援する施設「TAKANAWA GATEWAY Link Scholars’ Hub」を開設する。

 施設はスタジオ(1~3)とラボからなり、「環境」「モビリティ」「ヘルスケア」の三つの重点テーマを設定。環境では次世代型物流やビルイン型バイオガス設備の実装、モビリティはロボットによるフードデリバリーサービスや次世代モビリティの実装、ヘルスケアは睡眠コンシェルジュや感染症検査のサービスなどに取り組む。

 今夏ごろから順次、東京大学、NUSをはじめとする街のパートナーと共同で、各ビジネス創造プログラムを開始する。東大はプラネタリーヘルスにつながるビジネスの創造をサポート。NUSは海外のスタートアップ企業を対象とした日本進出支援プログラムを開催する。

 一方、建物名称は、「あらゆるものをつなぎ、共創し続け未来に向けて成長する」という意味の「Link」と、「100年先の心豊かなくらしのための実験場として、その支柱となり伸び続ける」という意味を込めた「Pillar」を掛け合わせた。

 来年3月下旬に開業する品川駅寄り4街区の複合棟Ⅰは「THE LINKPILLAR 1 NORTH/SOUTH(ザ リンクピラー ワン ノース/サウス)」。SOUTHの地下1~2階、6階に約2000人収容のコンベンションホールを核としたMICE(国際会議、研修、招待旅行)施設、1階にトラベルセンター、8階にオフィスワーカー向け食堂が、NORTH1階には保育園が入る。

 25年度中に開業する部分は、3街区の複合棟Ⅱが「THE LINKPILLAR 2(ザ リンクピラー ツー)」、1街区の住宅棟は「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE(タカナワゲートウェイシティ レジデンス)」に決まった。2街区は文化創造棟。

 また、同シティは昨年12月に大阪・関西万博が主催する「TEAM EXPO2025」のプログラム・共創パートナーに登録。24年度から具体的プログラムを実施していく。

検索キーワード:JR東日本

3,626件見つかりました。

161〜180件を表示

<

>