JR東日本 新幹線総合車両センターに新幹線車両総合訓練設備「TEC―BASE」
JR東日本は12日、宮城県利府町の新幹線総合車両センター内に、新幹線車両総合訓練設備「TEC―BASE」(テックベース)を開設した。廃車となったE6系の3両(先頭車1両、中間車2両)を活用。車両メンテナンスに携わる社員をはじめ、乗務員やグループ会社も含めた新幹線業務に関わる社員が多目的に使用する教育訓練設備となる。
テックベースのコンセプトは「『世界一安全な新幹線 世界に誇れる新幹線』を目指す教育の基点となる場所」。中間車の15号車は、ドア部分のステップ装置や天井のパネルなどの一部設備を取り外し、車体構造や機器配置などを学ぶことができる。部品の取り換えや調整作業など、車両メンテナンスに関する訓練も可能。同16号車は、実車そのままの車内としており、乗務員向けの訓練や車内清掃の訓練、テロ対策訓練などに対応する。
先頭車の17号車は、客室の座席を撤去して座学教育ができるスペースに改造。客室内には新たにテーブル、椅子、モニターを設置している。各車両の床下機器は、カバー(側フサギ板)を一部取り外し、台車などの構造が確認できる仕様とした。
直近では、2024年度入社の新入社員向けに、今年5月から実施予定の新幹線車両関係基礎技術教育での活用を計画している。
同日は現地で使用開始セレモニーが行われ、島田信明新幹線統括本部新幹線運輸車両部長、佐々木裕一同センター所長ら約50人が出席。
島田部長は「新幹線総合車両センター社員の熱意と技術力により、素晴らしい訓練設備ができた。この設備を大いに活用して、関係する車両センターや他の系統を含めて『チーム新幹線』全体のレベルアップに寄与していくことを期待している」とあいさつ。
佐々木所長は「これまでは営業列車を使って、応急処置や異常時、清掃の訓練などを行っていたが、さまざまな制約があり、やりたくてもできない訓練もあったと思う。テックベースによってそれらが解消される。新幹線に携わる全ての人たちの訓練設備と位置付けており、長く大切に活用していく」と述べた。
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