国交省 都市鉄道整備の促進に向け検討 受益主体や費用負担の考え方を整理
国土交通省はこのほど、2月から議論を重ねていた「今後の都市鉄道整備の促進策のあり方に関する検討会」(座長・山内弘隆武蔵野大学経営学部特任教授)のとりまとめを公表した。都市鉄道に絞った内容ながら、これまでの公共交通に関する検討会・有識者会議などでも課題となっていた受益者や費用負担の考え方について一歩踏み込み、整備により受益する主体と費用負担の基本的な考え方を整理。利用者や鉄道事業者に加え、整備に伴う駅周辺の開発者なども受益者としてとらえ、プロジェクト単位で費用負担を提示する方向を示した。現行の補助制度についても、対象や収受範囲などを見直し、本年度内をめどに制度設計を行う方針とした。
検討会には、委員として山内座長を含む有識者5人、オブザーバーとしてJR東日本、JR東海、JR西日本、西武鉄道、東急電鉄、名古屋鉄道、京阪電気鉄道、阪急電鉄、日本民営鉄道協会が参加した。
都市鉄道が、都市の社会経済活動を支える重要な基盤であり、利便性向上による利用増加が2050年カーボンニュートラル実現の上でも重要であること、さらに、整備効果が沿線地域の活性化などを通じて幅広い主体におよぶことを確認。コロナ禍による経営・財務状況悪化や中長期的な人口減少などで事業者が大規模な設備投資に積極的に取り組みにくく、補助を行う国や地方公共団体の財政状況が厳しくなる中、都市鉄道整備を促進する方策について議論。▽受益主体と費用負担の考え方▽現行支援制度の評価・見直しの方向性――についてまとめた。
受益と負担の関係のうち、受益者については、直接的な受益主体の鉄道利用者、将来の沿線人口増加を含む直接・間接の受益主体となる鉄道事業者に加え、来訪増などで収益拡大の可能性のある沿線企業、物件の価値が向上する不動産所有者、さらに駅周辺の開発者や利便性の向上する住民、税収増などのメリットのある国・地域とした。
費用負担については、運賃(利用者負担)を原資とする鉄道事業者による費用負担を原則としつつ、社会経済活動を支える重要基盤で投資規模も大きいことなどから、国と地方公共団体が補助制度などを通じて支援する現行の仕組みを基本に、整備がもたらす利益の還元についても検討。駅周辺の開発者など利益を想定できる受益者について、負担方法などを明瞭にした上で整備費用の一部を負担してもらうなどの考え方を提示した。
負担の手法などについては、国が東京地下鉄(東京メトロ)の日比谷線虎ノ門ヒルズ駅整備時や横浜高速鉄道みなとみらい線整備時の駅周辺開発者の負担などの過去事例をもとに負担の考え方や仕組みなどを整理し、本年度内をめどに公表。プロジェクトごとに負担の検討を行うことを後押しする。
現行制度については、見直しの方向性として①他分野との連携②鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の資金調達力活用③新線整備対象としていた貸付制度の他事業への活用――などの方向性を提示。利用者に負担を求める制度である「特定都市鉄道整備積立金制度」「新線建設に係る加算運賃制度」に関しては、収受範囲や時期、対象となる事業、事業規模を見直し、透明性などの確保を求めた。
検討会では今回の利用者負担制度の見直しの方向性について、基本となる考え方自体は鉄道プロジェクト全般に適用可能と指摘。報告書の中で、制度具体化に向けた検討において考慮するよう記載している。
検索キーワード:JR東日本
3,626件見つかりました。
661〜680件を表示
-
2024.08.22 JR東日本グループ 営業・事業・車両
JR東日本クロスステーション 「すっきり梨」飲料を発売
ジェイアール西日本デイリーサービスネットと ○…JR東日本クロスステーションウォータービジネスカンパニーとジェイアール西日本デイリーサービスネットは27日から
-
2024.08.22 JR東日本 予定・計画・施策
JR東北本部 常磐線亘理—仙台間で臨時列車
JR東日本東北本部は9月28日に開催される「東北未来芸術花火2024」に合わせて、常磐線亘理—仙台間に臨時列車を運行する。
-
2024.08.22 JR東日本 予定・計画・施策
JR東北本部 ヒマワリ開花で減速運転 常磐線逢隈—岩沼間
JR東日本東北本部は、福島県の亘理町逢隈地区まちづくり協議会と協力し、24日から27日までの、常磐線逢隈—岩沼間で速度低下運転を行う。
-
2024.08.22 JR東日本 予定・計画・施策
JR東北本部 郡山総合車両センターを一般公開
JR東日本東北本部は9月21日、郡山総合車両センターを一般公開する。公開イベントは5年ぶり。入場無料。
-
2024.08.22 JR東日本 営業・事業・車両
JR東北本部 「カシオペア」乗車ツアー 第2弾催行へ
JR東日本東北本部とJR東日本びゅうツーリズム&セールスは、5月5日に催行した寝台特急「カシオペア」の乗車体験ツアーの第2弾を9月22日に催行する。
-
2024.08.22 JR東日本 予定・計画・施策
JR八王子支社 大宮駅で「やまなし産直市2024」初開催
JR東日本八王子支社は9月3日から6日まで、JR大宮駅西口イベントスペースで「やまなし産直市2024」を初めて開催する。
-
2024.08.22 JR東日本 予定・計画・施策
JR東日本 目黒駅開業140周年、目黒製作所創業100周年で記念イベント
JR東日本は9月1日から、カワサキモータースと協力し、目黒駅開業140周年と目黒製作所創業100周年を記念するイベントを開催する。
-
2024.08.22 JR東日本 予定・計画・施策
JR東日本 楽天―日ハム戦「JR東日本デー」に
JR東日本は9月16日に楽天モバイルパーク宮城で行われるプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルス対北海道日本ハムファイターズ戦を「JR東日本デー」として、JRE
-
2024.08.21 JR東日本 記録・調査・統計
お盆期間輸送概況 JR東日本
主要16線区、前年比105%【JR東日本】 主要16線区の新幹線と在来線の利用人員は、下り222万4000人(前年比104%)、上り222万4000人(107
-
2024.08.21 JR東日本グループ 予定・計画・施策
ホテルメトロポリタン羽田 「羽田イノベーションシティ 夏スクール2024」に参加
JR東日本ホテルズの「ホテルメトロポリタン 羽田」は26日、同ホテルが入居する大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」(羽田イノベーショ