西武・JR東日本 ホーム上の乗客の車両への接近を検知するシステムについて技術協力
実用化への期間短縮など
西武鉄道とJR東日本は26日、デジタル技術を活用した安全性向上を目的に、車両側面に設置したカメラの映像からホーム上の利用者の車両への接近を検知するシステムについて、技術協力を行うと発表した。西武はJR東日本と同様の「車載ホームモニタシステム(車両完結式)」を採用し、ワンマン運転線区で2026年ごろの本稼働を目指す。これにより、AI(人工知能)の機械学習に使用するデータ量を増やすことが可能となり、研究開発にかかる時間と実用化までの期間短縮や、検知性能・安全性の向上が期待できる。
両社は22年9月、スマートな事業運営の加速を目的に、鉄道技術分野における覚書を締結。幅広い技術分野で協力・研究し、新技術を導入する際の仕様共通化など、設備導入のスピードアップや開発コストの低減に取り組んでいる。
JR東日本グループでは、ワンマン運転の際に乗務員が乗客の乗降を確認する手段として、車両の側面に設置したカメラの画像を運転席で表示する車載ホームモニタシステム(車両完結式)を開発。営業列車で使用している。
また、カメラの画像から利用者が列車に接近した状態を検知して乗務員に通知する技術を18年度から開発しており、相模線のE131系500番代1編成(4両)に「お客さまの車両への接近を検知するシステム」を搭載して、実際の営業列車で検証試験を実施している。
両社は、同システムの画像認識技術に関して技術協力を行う。これによりAIの機械学習に用いるデータ量を増やすことが可能となり、検知性能や安全性などのさらなる向上につなげる。
さらに、学習が既に始まっているシステムを活用して、システム全体の設計・施工・習熟という全体工程のうち、人物検知機能に関する習熟期間を短縮することができ、よりスピーディーな導入を実現する。
車載ホームモニタシステムの採用に向けて、西武は24年度から設計などの準備を進めて、25年度から実証試験を開始。ワンマン運転線区で26年ごろの本稼働を目指す。同システムにはJR東日本が現在検証を進めている検知システムも搭載する。
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