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JR東日本 新幹線ドライバレス運転 上越新幹線から 30年代中ごろ全線導入へ

2024.09.12
新幹線のドライバレス運転(GOA4)走行試験の様子=JR東日本提供=

 JR東日本の喜㔟陽一社長は10日の定例会見で、世界初の新幹線における「ドライバレス運転」を上越新幹線に導入し、次に北陸新幹線、最後に東北新幹線へ順次拡大を目指すと発表した。上越新幹線では、2028年度に長岡―新潟新幹線車両センター間(60・8㌔)の営業列車と回送列車の自動運転、29年度に新潟―新潟新幹線車両センター間(5・1㌔)の回送列車でのドライバレス運転に向けて、地上設備と車両改造などの工事に着手。30年代中ごろには東京―新潟間の営業列車と回送列車への導入を目指し、検討を深度化する。

 同社では、効率的でサステナブルな鉄道経営への変革に向けた施策として、「ドライバレス運転」(自動運転のうち、運転士の乗務を必要としない運転)の導入を目指している。自動運転の導入により、安全性・輸送安定性の向上や、効率的な運転による省エネルギー化が期待できる。ドライバレス運転では、需要に応じた柔軟な列車運行が可能になり、乗務員がさまざまな業務に従事できるようになる。

 上越新幹線では28年度に、長岡―新潟新幹線車両センター間の営業列車と回送列車に、運転士が列車の前頭に乗務する自動運転(GOA〈自動化レベル〉2)を導入。29年度には、新潟―新潟新幹線車両センター間の回送列車に、係員が乗務する必要がないドライバレス運転(GOA4)の導入を目指す。

 次いで、30年代中ごろに東京―長岡間で自動運転(GOA2)を導入した後、同―新潟間の営業列車を対象に、係員は乗務するが列車の前頭には乗務する必要がないドライバレス運転(GOA3)、および回送列車のドライバレス運転(GOA4)の導入を目指す。

 同社では新幹線へのドライバレス運転の導入に向け、乗務員が担っている業務のシステム化を進めるため、自動でダイヤ通りに列車を運行するための装置や、異常を自動で検知する装置など、さまざまな研究開発に取り組み、実用化を進めている。

 このうち、最適な運転パターンで運行する装置の開発では、19年度からE956形新幹線電車(ALFAーX)で走行試験を実施。28年度の自動運転(GOA2)導入に合わせた本装置の使用開始を目指している。ドライバレス運転に必要になる加速・減速・定位置停車のほか、臨時の速度制限や停車などにも対応して自動でダイヤ通りの走行、効率的な省エネルギー運転を行う。

 列車の異常を検知する機能の開発では、台車の異常を検知する既存のモニタリング装置を活用して、走行中に異常な振動を検知した場合、乗務員に代わって自動で緊急停止させる機能の研究開発を推進中。同機能については、29年度のドライバレス運転(GOA4)の導入に合わせた使用開始を目指している。

 会見で喜㔟社長は「ドライバレス運転の技術開発を進めることで、JR東日本が世界の鉄道をリードするというスタンスを、技術のイノベーションでしっかりと示していきたい」と述べた。

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