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JR東日本 社長に喜㔟副社長が昇格 4月1日付 深澤社長は会長に

2024.01.19
会見終了後に握手を交わす深澤社長(左)と喜㔟副社長

 「変革2027」さらに加速

 JR東日本は17日の取締役会で、4月1日付で深澤祐二代表取締役社長が取締役会長に就任し、後任の代表取締役社長に喜㔟陽一代表取締役副社長・マーケティング本部長が昇格する役員人事を決定した。トップ交代は6年ぶり。冨田哲郎取締役会長は相談役に就く。グループ経営ビジョン「変革2027」の実現に向け、ポストコロナにおける事業全般の抜本的な構造改革をさらに進めるため、体制の若返りを図る。同日午後に本社内で深澤社長と共に記者会見した喜㔟副社長は、「『変革2027』の大きな流れをさらに加速させ、新しい時代を社員と築いていきたい」と抱負を述べた。

 会見で深澤社長は、「国鉄からJRに移行した社員が本年度末に全員60歳を迎えるタイミングで、JRになってから入社した喜㔟副社長にバトンタッチする」と述べ、年明けに本人に打診したことを明かした。「『変革2027』も一緒につくり上げ、実行してきた。私の考え方を一番よく理解し、サポートしてくれた」とし、「マーケティング本部長では、新幹線荷物輸送など社会課題解決につながるような新しい事業をつくり上げてきた。フットワークがよく、調整能力が高いし、胆力もある」と後任に選んだ理由を説明した。

 喜㔟副社長はこれに対し、「JR採用が経営の前面に立つ時代が来たかと、責任の重さを大きく受け止めた」と述べ、新社長として方向性の継承とともに、「新しい時代は変革の主役である社員と一緒につくり上げていきたい。社員からの発信、発意を経営に融合していくことで、社員一人一人が経営への参画意識を持ち、新しい価値を生み出してもらいたい」と力強く語った。

 「変革2027」については、「深澤社長が副社長、私が経営企画部長の時に一緒につくったので共通の思いがある。折り返し地点になるが、6割ぐらいは達成できたのではと個人的に総括している。ここからが正念場で、目指す方向をさらに加速、レベルアップしていくのが課題」と気を引き締めた。

 これまでに手掛けた印象的な事業としては、新しく立ち上げた列車荷物輸送サービス「はこビュン」や「スマート健康ステーション」「JRE Local Hub燕三条」、不動産事業による「回転型ビジネスモデル」、「東北復興ツーリズム推進ネットワーク」を挙げた。

 深澤社長は在任中の記憶に残る出来事について、「コロナ禍と闘ってきた任期だったが、一方で新しい取り組みが始まり、現場の社員が厳しい状況の中で頑張ってくれた。会社全体のレジリエンス、耐力がコロナ禍を経て強くなった」と述べた。

 また、「鉄道150年の節目を迎えることができ、次の150年に責任を持たなければと強く意識した」と振り返った。

 ◇喜㔟 陽一(きせ・よういち)氏略歴 1989年4月JR東日本入社。人事部長・JR東日本総合研修センター所長、執行役員・人事部長、同・総合企画本部経営企画部長、常務・総合企画本部長、同・事業創造本部長、代表取締役副社長・事業創造本部長などを経て2022年6月から現職。千葉県出身。59歳。

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