連載 「にぎわいの新拠点 ―幕張豊砂駅開業後のまち―」 ㊦人が集う駅前広場
幕張新都心の回遊性向上へ
幕張豊砂駅前の「とよすなうみかぜ広場」で子どもたちが走り回り、紙飛行機を飛ばして楽しんでいる。腹ばいでかき氷をほお張る姿も。京葉線車両をイメージした鉄道運転体験ハウス「とよすなトレイン P318」では、親子そろって鉄道模型ジオラマや18路線から選べる運転シミュレーターに興じている。
バーベキューテラス「幕張豊砂BBQビアガーデン」は10月末まで営業中。週末と平日夜を中心に、家族連れや勤め帰りのグループが手軽にバーベキューを楽しんでいく。一部のテーブル席は開閉可能な屋根付きタイプで、「夏場は日差し対策にもなります」と同店スタッフ。
休日の昼、3月15日に開業した同広場と新施設は、多くの人たちが思い思いのひとときを過ごしていた。まち中へ気軽に繰り出せるようカーシェアサービスやシェアサイクルも整備され、幕張豊砂駅開業によるにぎわいを象徴する空間だ。
昨年6月、JR東日本千葉支社と同社グループの千葉ステーションビル、千葉市などの7者が「幕張豊砂ウォーカブル推進社会実験実行委員会」を設立した。「居心地が良く歩きたくなるまちなか」を目指した仕掛けづくりの社会実験を進めている。
仕掛けづくりの社会実験が進展
同支社地域共創部地域連携ユニットの中井萌佳さんは「千葉大学の学生の協力を得て課題を探ったところ、『座って小休止できる場所がない』『日陰が少ない』といった声が上がった」と説明する。
昨年12月、市道の一部に人工芝エリア(約840平方㍍)を整備。今年3月には、同エリアなどに国産材を使った全長4㍍のベンチを計13基設置した。併せて、昨年7月以降は「幕張豊砂 マヨフェス」や「とよすなあかりまつり」など、年4回のペースで集客イベントを開催している。ハード、ソフト両面の社会実験は来年3月にかけて継続する。
駅開業で第2の「まちびらき」に
商業施設をはじめ、スタジアムやコンベンション施設など多くの大型施設が集積する幕張新都心エリア。千葉市は幕張豊砂駅の開業を「(同エリアの)第2のまちびらき」と捉え、同市をけん引するまちづくりの拠点と位置付ける。人を中心とした同エリアのにぎわいづくりと回遊性向上を目指す新たな取り組みは、まだ始まったばかりだ。(終わり)
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