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特集 目指すは「V1」 JR東日本ランニングチーム 「ニューイヤー駅伝2024」

2023.12.26
悲願の初優勝に向け――。グループ一丸で挑むJR東日本ランニングチーム

 第68回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝2024)が来年1月1日、群馬県庁をスタート・ゴールとする7区間・100・0㌔で開催される。全国各地区予選会を突破したチームと、今年10月のパリ五輪マラソン選考会・マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場選手が所属し、各地区ニューイヤー駅伝予選会に出場し完走したシード権チームを加えた41チームが出場する。6年連続19回目の出場権を獲得したJR東日本(チーム名・JR東日本ランニングチーム)は悲願の初優勝に向けて元日決戦に臨む。

 

 区間変更で激戦必至

 今大会では、大会活性化策と群馬県伊勢崎市内における東武鉄道伊勢崎線の踏切通過回避に伴うコースの一部見直しによる区割り・区間距離を変更した。

 1区・群馬県庁―高崎市役所(12・3㌔)に変更はないが、インターナショナル区間(外国人選手が出場できる区間)の2区については高崎市役所―前橋市公田町(8・3㌔)から高崎市役所―伊勢崎市役所(21・9㌔)に拡大して、各チームのエースによる〝花の2区〟に衣替え。3区も前橋市公田町―伊勢崎市役所(13・6㌔)から伊勢崎市役所―三菱電機群馬製作所(15・4㌔)に変更して、こちらも距離を延長した。インターナショナル区間は4区、三菱電機群馬製作所―太田市役所(7・8㌔)とした。

 後半以降の勝負どころ5~7区では、6区・桐生市役所―伊勢崎市西久保町(11・2㌔)は700㍍、7区・伊勢崎市西久保町―群馬県庁(15・6㌔)は100㍍それぞれ距離を短縮。5区の太田市役所―桐生市役所(15・8㌔)に変更はない。

 2~4区の区割り・距離変更によってレース展開は変わるのか――。2区では1区でのタイム差が少ない分、各チームのエース選手による激しい順位争いが予想され、後方からの「〇〇人抜き」といったシーンが見られそう。あわせて2区終盤からのデッドヒートも楽しみだ。

 また、国際レベルでのスピードランナーがそろう4区では、外国人選手を擁していないチームにとって、このルール変更が吉と出るか、凶と出るか――。距離は前回2区との比較で500㍍短縮されたが、4~5区継走時に後続チームと大差が付く、あるいは一気の順位逆転といった可能性もありそう。いずれにしても3~4区継走時の上位通過順位がその後の入賞、優勝への鍵と見た。2024年のニューイヤー駅伝は、例年以上にスリリングなレース展開となりそうだ。

 JR東日本としては、この区割り・区間距離変更を追い風としたい。

 群馬県庁をスタートする1区は各チームの日本人スピードランナーが集うが、予選会1区で安定的な走りを見せた米井や経験豊かな主将・片西の存在は各チームにとっては脅威になる。2~3区にはエース・作田直、作田将、新人・横田の各選手をそろえ、赤城おろしに代表される北風、さらには西風(上州空っ風)との闘いとなる5~7区では、其田、黒川ら実力ある選手が控える。鍵は4区インターナショナル区間か。各選手が期待通り、それ以上の走りを見せれば20年大会での最上位(4位)の突破も視界に入ってくる。

 スタート時刻は9時15分。主催者側では優勝チームのフィニッシュ(ゴール)時刻は13時50分ごろと予想する。

 

 ■大島唯司監督に聞く

 予選会となった11月3日の「第64回東日本実業団対抗駅伝競走大会」(埼玉県庁―熊谷スポーツ文化公園陸上競技場間、7区間、76・9㌔)では、MGCシード権を有していたJR東日本は完走したとはいえ、3時間49分22秒の15位という厳しい結果に終わった。レース後の大島唯司監督に聞いた。

――予選会を終えて。

 大島 今回も予選会V1という目標を掲げていたので悔しい。負けたという気持ちでいっぱいだが、レースに臨んだ選手は最善を尽くして走ってくれた。非常に良いチームになってきているというのが実感だ。この結果を見てニューイヤー駅伝までどのように取り組んでいくかが重要になる。

――予選会出場メンバーはチームとしてのベストコンディションだった?

 大島 その通りです。コーチ陣も自信をもって送り出したわけで、(15位という)結果だけを見て「駄目だった」というように見ないでほしいし、そう思わないチームであってほしい。

――予選会で明らかになった課題とは。

 大島 「レースの流れをつくる」といった面では経験 不足だったかもしれない。2区のムイルはトラックでの力はあるが、ロードには勝負弱いところがあるので鍛え直していく。3、4区の選手も経験 不足。若手の育成が大きな課題だ。

――改めて15位完走については。

 大島 本当の意味で、そして「本気で勝つ」という意識が選手全員に行きわたっているのかどうか。ある意味では心の問題なのかと思うが、それでも本気で勝とうという選手もいる。そのような中で予選会を完走できたことは評価しているし、メンバーから外れた選手が「今度は俺がやる」という気持ちで臨んでもらえれば、それは一つの効果となりうる。

――本大会までどう取り組んでいくか。

 大島 これまで取り組んできたことに間違いはないと思っている。継続して、コーチ、選手を信じている。

――上位進出の鍵は。

 大島 予選会に出場した選手が悔しい思いをもってやり返す。出場から外れた選手を入れさせない――。そのぐらいの気概で本大会まで臨んでいってほしい。そのことがチーム力を底上げしていく。安住しているようでは非常に厳しい結果になる。

――目標を。

 大島 これまでもしつこく言ってきたが、変わらず「V1(優勝)」を目指す。予選会はベストメンバーで臨んだが結果が伴わなかった。だが、決してあきらめず、そして選手を信じてしっかり取り組んでいく。ご声援をお願いしたい。

 

 ■第68回全日本実業団対抗駅伝競走大会

    (2024年1月1日、7区間・100.0㌔)

 1区(12.3㌔) 群馬県庁~高崎市役所

 2区(21.9㌔) 高崎市役所~伊勢崎市役所

 3区(15.4㌔) 伊勢崎市役所~三菱電機群馬製作所

 4区( 7.8㌔) 三菱電機群馬製作所~太田市役所

 5区(15.8㌔) 太田市役所~桐生市役所

 6区(11.2㌔) 桐生市役所~伊勢崎市西久保町

 7区(15.6㌔) 伊勢崎市西久保町~群馬県庁

 

 過去の順位・タイム

 第49回(2005年) 27位   4時間59分26秒

 第50回(2006年) -

 第51回(2007年) 25位   4時間54分59秒

 第52回(2008年) 15位   4時間55分04秒

 第53回(2009年) 12位   4時間56分22秒

 第54回(2010年) 12位   4時間56分32秒

 第55回(2011年) 29位   5時間01分48秒

 第56回(2012年) 25位   4時間58分39秒

 第57回(2013年) 16位   4時間59分54秒

 第58回(2014年) 16位   5時間02分00秒

 第59回(2015年) 14位   5時間00分15秒

 第60回(2016年) 29位   5時間03分48秒

 第61回(2017年) 18位   4時間57分40秒

 第62回(2018年) -

 第63回(2019年) 32位   5時間02分54秒

 第64回(2020年) 4位   4時間50分40秒

 第65回(2021年) 7位   4時間53分54秒

 第66回(2022年) 19位   4時間58分07秒

 第67回(2023年) 10位   4時間52分53秒

 ※第50回は出場辞退、第62回は予選敗退。

 

 ■第64回東日本実業団対抗駅伝競走大会

(11月3日、埼玉県庁―熊谷スポーツ文化公園間、7区間・76.9㌔)

 1位 富士通            3時間41分06秒

 2位 Honda          3時間42分40秒

 3位 ロジスティード        3時間42分48秒

 4位 SUBARU         3時間43分05秒

 5位 ヤクルト           3時間43分54秒

 6位 サンベルクス         3時間44分46秒

 7位 Kao            3時間45分01秒

 8位 コモディイイダ A      3時間45分53秒

 15位 JR東日本          3時間49分22秒

 

 JR東日本ランニングチーム成績

 1区(11.6㌔) 米井 翔也    33分41秒(区間8位)

 2区( 8.0㌔) ムソニ・ムイル  22分38秒(区間13位)

 3区(16.5㌔) 中山 雄太    49分02秒(区間13位)

 4区( 9.5㌔) 竹井 祐貴    28分32秒(区間11位)

 5区( 7.8㌔) 黒川 翔矢    23分22秒(区間14位)

 6区(10.6㌔) 武藤 健太    31分59秒(区間17位)

 7区(12.9㌔) 曽根 雅文    40分08秒(区間19位)

 

 ■ベストタイム(12月13日時点)

        5000m    10000m  ハーフマラソン

 片西  景 13分57秒02  28分29秒11 1時間01分50秒 主将

                          2時間09分27秒(フル)

 米井 翔也 13分39秒64  28分17秒44 1時間03分23秒 副主将

                          2時間14分37秒(フル)

 黒川 翔矢 13分54秒34  28分47秒04 1時間01分55秒 

                          2時間16分17秒(フル)

 其田 健也 13分46秒35  28分47秒50 1時間02分20秒 

                          2時間05分59秒(フル)

 武藤 健太 13分47秒38  28分18秒21 1時間03分47秒

                          2時間22分58秒(フル)

 作田 直也 13分56秒29  28分28秒92 1時間02分22秒

                          2時間08分21秒(フル)

 作田 将希 13分55秒36  28分21秒50 1時間02分48秒

                          2時間07分42秒(フル)

 ムソニ・ムイル

       13分18秒19  27分34秒21 1時間00分34秒

 曽根 雅文 13分54秒17  29分20秒61 1時間02分51秒

                          2時間17分33秒(フル)

 竹井 祐貴 13分51秒91  28分32秒16 1時間03分11秒

                          2時間10分57秒(フル)

 中山 雄太 13分57秒31  28分07秒33 1時間02分14秒

                          2時間26分10秒(フル)

 横田 俊吾 13分46秒81  28分24秒78 1時間02分36秒

                          2時間07分47秒(フル)

 ムトゥク・デニス

       13分41秒57  27分54秒69

 ■チーム役員・スタッフ

 会 長     喜㔟 陽一 代表取締役副社長・マーケティング本部長

 後援会長    内田 英志 執行役員・八王子支社長・同支社鉄道事業部長

 部 長     小玉  真 八王子支社企画総務部長

 事務局長    久田 隼人 八王子支社企画総務部総務・広報・勤労ユニット

 事務局スタッフ 山﨑 結花 八王子支社企画総務部総務・広報・勤労ユニット

 監 督     大島 唯司

 ヘッドコーチ  永井 順明

 コーチ     迎  忠一 / ポール・クイラ

 マネージャー  清家  健

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