JR東日本 多様なデジタル人材育成へ 専任担当「DXプロ」配置
JR東日本は5日、デジタルを活用した業務変革(DX=デジタルトランスフォーメーション)の推進に向け、多様なデジタル人材を育成すると発表した。DXリテラシーをけん引する専任担当である「DXプロ」の新規配置や、「システム人財育成プログラム(JEIS大学)」のグループ全体への拡大、さらに「Digital&Dataイノベーションセンター」(通称・DICe=ダイス)におけるデータの利活用やシステム開発などを進め、グループ全体のDX加速を図る。
同社では2019年までに全社員が順次タブレット端末を持ち、現場第一線の多くの社員がデジタル技術を活用してさまざまな業務改善などに取り組んできた。これまでに振替輸送案内や社内物品転活用、害獣情報共有などのアプリを開発し、日々の業務課題解決に役立てている。
今後は27年度末までに、デジタルツールでデータ処理や業務資料作成などができる「ベーシック」人材を約2万5000人、デジタル技術で業務課題解決を行う「ミドル」人材を約5000人、DX戦略を策定・実施し、業務を俯瞰(ふかん)して抜本的に変革する「エキスパート」人材を約200人育成する計画。ベーシックやミドルは現場の社員を中心に、エキスパートはIT人材を採用して育成する。
ベーシックやミドルをけん引し、各職場でデジタル人材育成やDX推進風土醸成に取り組む人材として、「DXプロ」を11月1日から各本部や支社などに配置。ベーシックやミドルなどの社員に対するデジタル技術利活用促進のための講習会などを今月から実施しており、現場第一線のDXを推進する。
また、今年1月から開始した「システム人財育成プログラム(JEIS大学)」は、社内公募で選抜された社員がJR東日本情報システム(JEIS)に出向し、2年間程度かけてシステム開発や運営の実務を通じて知識を習得。開発プロセスや維持・運営業務を理解することで、「業務とシステムの両方が分かる」人材を育成する。1期生19人に続いて、第2期以降はJR東日本グループ全体に公募範囲を拡大。今月1日に2期生14人の開講式を開催した。
DICeは、イノベーション戦略本部内に10月1日に設置。同本部とJR東日本研究開発センターフロンティアサービス研究所、JEISの社員の40人体制で、「JR東日本グループ生成AI利活用ガイドライン」を11月に策定するなど、データやAI(人工知能)などに関するガバナンスの策定・運営、社内ニーズに応じたアジャイル開発(素早い開発)などに取り組む。
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