JR東日本「はこビュン」 日本郵便「ゆうパック」を活用した農産物輸送
「選んでもらえる」商品・物流へ 桃の輸送 実証実験
JR東日本と日本郵政(東京都千代田区)、日本郵便(同)、陽と人(ひとびと、福島県国見町)は5日、新幹線を活用したJR東日本グループの荷物輸送サービス「はこビュン」と日本郵便の配送サービス「ゆうパック」が連携し、化学肥料や除草剤不使用の桃と規格外の桃を消費者に届ける実証実験を実施すると発表した。期間は7月16日~9月6日の計28日間。農業、物流、環境面などにおける課題解決への寄与を図るとともに、将来世代にポジティブな影響を与える仕組みづくりや、環境に配慮した「選んでもらえる」商品・物流になることを目指す。
7~9月 福島―東京間で28日間
実証実験は、収入の不安定さ、温暖化の影響による農地への影響など、多岐にわたる農業分野の課題や、物流の「2024年問題」、二酸化炭素(CO2)排出量削減などの課題解決の一助を担うことを目的として、業界の垣根を越えたサプライチェーンの構築を図る取り組みとなる。
各社の役割分担は、陽と人がプロジェクト企画、商品販売、日本郵政グループが福島駅までの配送、東京駅からの配送、商品販売、JR東日本グループが福島―東京間の輸送、商品販売。
実証実験では、「はこビュン」と「ゆうパック」による産直品の輸送・販売が実現するほか、栽培方法を工夫した農産物や規格外農産物を消費者が理解して購入し、直接届く新しいサプライチェーンの実現につながるかなどを検証する。
併せて、新幹線による荷物輸送におけるオペレーション改善をテーマに、日本郵便とJR東日本の効率的な「新幹線への積み込みオペレーション」、日本郵政グループの配送網を活用した「駅への持ち込みオペレーション」についても検証。環境負荷の低減を目指した商品・物流に対する消費者意識の調査も実施する。
販売するのは「桃源の極み」(高品質・希少部位、2㌔、送料込み1万2270円、限定200箱)、訳あり桃(1・5㌔、2800円、限定2200箱)、訳あり桃(上)(2㌔、5100円、限定350箱)の3種類。「桃源の極み」と訳あり桃(上)は、農林水産省の環境負荷の低減「見える化」事業の星三つ取得商品となっている。
「はこビュン」の対象列車は、東北新幹線「やまびこ146号」(福島発16時16分、東京着17時48分)。購入方法は、郵便局のネットワークを活用した「ふるさと小包チラシ」での申し込みで、今月10日~8月16日に受け付ける。
配達先は関東地域(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都〈島しょ地域を除く〉、神奈川県、山梨県)限定。
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