交通新聞社 電子版

墨滴 11月9日付

2023.11.09

 JR東日本八王子支社とさとゆめ(東京都千代田区)の共同出資会社「沿線まるごと」は6日、地域活性化プロジェクト「沿線まるごとホテル」で、宿泊施設のブランド名を「Satologue(さとローグ)」にするとともに、青梅線鳩ノ巣駅近隣エリアで来年3月にレストラン棟やサウナ棟、2024年度中に客室棟を開業すると発表した▼プロジェクトは沿線全体をホテルに見立て、JR東日本の駅舎や鉄道施設などをホテルの「フロント」として活用、沿線集落の古民家(空き家)を「客室」に改修、さらに地域住民が「キャスト」となって接客・運営を行う▼沿線まるごと社の設立発表がほぼ2年前。地域と共にプランを練り、ここまでたどり着いたかと思うと感慨深い。ただ、ここからが本番。まだまだブラッシュアップできるものはあるはずだ▼青梅線は東京都内にあり、休日はハイキングや御嶽神社に行く人の利用も多い。しかし、日帰りが中心で長期滞在になりにくいといった課題がある。観光スポットや宿泊先しか記憶に残らない点の観光体験ではなく、移動も含めた面の観光、長時間滞在したいと思わせる魅力的なコンテンツの提供が必要だ▼これまでの実証実験では、現地ガイドと共に集落を散策する「集落ホッピング」が好評だったという。ローカル線の活性化に向け、新たなマイクロツーリズムや滞在型観光の先進的なモデルを発信できるか注目したい。

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