交通新聞社 電子版

墨滴 1月22日付

2024.01.22

 物流の「2024年問題」。昨年の新語・流行語大賞にも「2024年問題/ライドシェア」としてノミネートされた。世相を表す語に挙がったのは広く浸透した証拠だ。トラックドライバーの時間外労働時間の上限規制はいよいよ4月から適用される▼昨年は6月に「物流革新に向けた政策パッケージ」、10月に「物流革新緊急パッケージ」が政府から相次いで発表された。切羽詰まった感はあるが、国の姿勢を改めて示して危機感を促し、物流の諸課題が世間の注目を集めるきっかけになった▼12月には東京都内で「貨物鉄道輸送150年記念セミナー」が開かれた。貨物鉄道の輸送量拡大に向けた議論で、坪山雄樹一橋大学大学院経営管理研究科准教授が「メリットがあるから(貨物鉄道を)使うという見せ方をしてほしい」と述べたのが印象的だった▼脱炭素の推進やトラックドライバー不足の解消など、規制や課題への対応のためやむなく選ばれるモードにとどまってはいけない。ぜひ使いたくなる〝キラキラしたもの〟が必要との指摘だ▼篠部武嗣JR貨物取締役兼常務執行役員・経営統括本部長からは、鉄道によるゼロカーボン輸送の実現、貨物列車のシャトル運行や自動運転も交えた貨物ターミナルなど、未来を見据えたアイデアも示された。物流変革の正念場とも言える2024年。たくさんの〝キラキラ〟の種をまく1年としてほしい。

検索キーワード:自動運転

119件見つかりました。

81〜100件を表示

<

>