国交省 「2024年版交通政策白書」を公表
交通維持、自動運転など俯瞰
国土交通省は18日、2024年版交通政策白書(「令和5年度交通の動向」および「令和6年度交通施策」)を公表した。交通政策基本法第14条の規定に基づき、交通の動向や交通に関して講じた施策、講じようとする施策について、毎年国会に報告するもの。これまで特定のテーマを取り上げていた特集部分を外して3部構成とし、第2部、第3部の施策部分で交通の維持・確保や自動運転移動サービス社会実装など、国が進める交通に関する複数の取り組みを俯瞰(ふかん)できるようにした。
白書は、第1部「令和5年度交通の動向」と第2部「令和5年度交通に関して講じた施策」、第3部「令和6年度交通に関して講じようとする施策」で構成。第1部では、社会・経済動向や22年度までの旅客・貨物輸送量、交通ネットワークの動向などについてまとめた。
第2部、第3部は、21年5月に閣議決定された「第2次交通政策基本計画」の構成に沿って、政府の取り組みの進捗(しんちょく)状況や方針を記載。両部とも▽誰もがより快適で容易に移動できる、生活に必要不可欠な交通の維持・確保▽わが国の経済成長を支える高機能で生産性の高い交通ネットワーク・システムへの強化▽災害や疫病、事故など異常時にこそ安全・安心が徹底的に確保された、持続可能でグリーンな交通の実現――の3章構成とした。
主な取り組みでは、①地域公共交通のリ・デザインのさらなる推進②新幹線ネットワークの延伸③新技術の地域実装への展開④物流2024年問題への対応――などについて記載した。
①のリ・デザイン関連では、第2部で昨年10月に全面施行された改正地域交通法(地域公共交通の活性化及び再生に関する法律)の改正点や、同法などに基づく鉄道事業再構築事業の計画認定状況、地域公共交通の維持・確保に向けた支援策などを紹介。第3部で今年5月に公表した地域の公共交通リ・デザイン実現会議のとりまとめを踏まえた関係者の連携・協働強化などの方針を記した。
②の新幹線ネットワークでは、3月の北陸新幹線金沢―敦賀間延伸開業や今後の整備計画、③の新技術ではドローンの物資輸送や自動運転移動サービスの取り組み状況などを記載。④の物流対応では、昨年6月の「物流革新に向けた政策パッケージ」などに基づき、荷主への是正指導や運賃水準引き上げ、荷待ちの対価支払いなどの施策を展開していることなどをまとめている。
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