JR東海 イノベーション創出促進拠点「FUN+TECH LABO」開所
リニア神奈川県駅付近に
沿線都市の価値向上に貢献
JR東海は25日、相模原市で建設を進めているリニア中央新幹線神奈川県駅(仮称)付近に、イノベーション創出促進拠点「FUN+TECH LABO(ファンタステックラボ)」を開所した。併せて、拠点を利用する団体・企業と、それらが当面取り組むプロジェクトも発表された。同市内に研究開発施設を置く宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの宇宙関連や、自動運転・搬送技術の開発などが進められる。
同拠点は、昨年11月に同社と神奈川県、相模原市の3者で締結した「中央新幹線神奈川県駅(仮称)の周辺開発を契機としたさがみロボット産業特区におけるイノベーションの創出促進に係る連携と協力に関する協定書」に基づき、同社が整備、運営。最先端技術の知見を持つ有識者や団体・企業、市民が共創して、同特区周辺でのイノベーション創出を促進する。
建物は、団体・企業が利用する区画7室を備えるオフィス棟と、セミナーやイベントを開催するコミュニケーション棟で構成。延べ床面積約350平方㍍。同市津久井産の間伐材を主部材に使用した木造で、内外装には東海道新幹線再生アルミを活用したアルミサッシ、柱を使った。
また一部の天井部材には、同社とジェイアール東海商事、大建工業、相模原市と共同開発した津久井産間伐材と新幹線再生アルミによる内装用ルーバーを使用している。
オフィス棟を利用するのは、JAXA、大成建設、ティアフォー(2区画)、日本電気(NEC)、ヤマハ発動機で、2024年度初に1団体が利用し、7区画が満床となる予定。各プロジェクトは、JAXAの「今後の宇宙探査ミッションに向けた無人ローバなどの開発と、相模原市と連携した情報発信」、大成建設の「月面有人探査拠点に向けた開発とまちづくりへの応用」、ティアフォー、NEC、ヤマハの「自動運転を含めた多様なモビリティによる移動・運搬サービスを最適化するプラットフォームづくり」、大成建設、ティアフォーの「未来のまちづくりに寄与する自動運転のためのインフラ協調技術の開発」、eve autonomy(ティアフォー、ヤマハ)の「屋外対応自動搬送ソリューション提供による工場等敷地内での作業革新の促進」。
同日は現地で開所式が開催され、谷津剛也JR東海執行役員・事業推進本部副本部長、川島剛神奈川県産業労働局長、本村賢太郎相模原市長、新田浩史JAXA理事補佐らが出席。
あいさつで谷津副本部長は「さまざまな技術、知見を掛け合わせて、生活のわくわくにつながるイノベーションを創出する拠点。リニア駅周辺の魅力向上、沿線都市の価値向上に貢献していきたい。リニア中央新幹線自体の価値向上にもつながる」と述べた。
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