交通新聞社 電子版

JR東日本 深澤社長が講演 日本交通協会の午さん会・講演会

2022.10.17
講演する深澤社長

 今後の経営方向性など

 JR東日本の深澤祐二社長は13日、東京・丸の内の日本交通協会大会議室で開かれた午さん会・講演会で、「鉄道開業150年とJR東日本グループ」と題して講演を行った。オンライン参加を含む聴講者約260人に向け、同社グループの経営体質の抜本的改革に向けた取り組みや、今後の経営の方向性などについて説明した。

 深澤社長は冒頭、「鉄道開業から150年が経過し、われわれは次の150年に向けてどういうことをやっていくのか、もう一度しっかりと考える機会にしたい」とあいさつ。

 コロナ禍前や緊急事態宣言下での同社管内の鉄道の利用状況を紹介した上で、「働き方、暮らし方がコロナ禍で大きく変わった。われわれはこれを前提にどういうことをやっていくのか」と提起。コロナ禍により同社を取り巻く経営環境が激変する中、「(コロナ禍前の2018年に策定した)グループ経営ビジョン『変革2027』で打ち出した方向性は変えずに、よりスピードアップして取り組んでいる」と説いた。

 その内容として「われわれの大きなドメインである運輸、生活サービス、IT・Suicaサービスがオーバーラップしているところでビジネスを創っていく。『融合と連携』を旗印に取り組みを進めている」と解説した。

 経営体質の抜本的な構造改革については、来年3月の導入を予定する割安な通勤定期券「オフピーク定期券」の新設をはじめ、昨年12月に国が創設した鉄道駅バリアフリー料金制度の活用、自動列車運転装置(ATO)の高性能化、ワンマン運転の拡大など、在来線の輸送体系のスリム化に向けた取り組み、スタートアップ企業との連携によるメンテマスター業務や建設工事の効率化などについて紹介した。

 成長戦略・イノベーション戦略では、新宿駅西南口地区開発計画(事業主体=同社、京王電鉄)や「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」、不動産事業の回転型ビジネスモデルなどの取り組みを挙げた。

 最後に「コロナ禍という非常に厳しい状況の中にありながら、現場の社員は元気に仕事をしている。引き続き温かく見守っていただき、応援していただければ」と語った。

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